HOME記事特撮『カクレンジャー第三部』ガーベラ役・木下彩音インタビュー!『カクレンジャー』『ガッチャード』連続出演で感じた特撮作品との縁【忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編】

『カクレンジャー第三部』ガーベラ役・木下彩音インタビュー!『カクレンジャー』『ガッチャード』連続出演で感じた特撮作品との縁【忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編】

2024.07.22

木下彩音 ガーベラ

 1994年に放送された『忍者戦隊カクレンジャー』の放送開始30周年となる今年、正統な続編となる『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』の配信が8月4日より東映特撮ファンクラブ(TTFC)にてスタート! 本作でカクレンジャーの前に立ちはだかる新時代妖怪のひとり、ガーベラを演じる木下彩音に、本作の見どころや撮影の裏話を伺った。また今回は特別に、ゲスト出演した『仮面ライダーガッチャード』の思い出も語っていただいた。


――『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』に出演が決まった際のご感想はいかがでしたか?

木下私が生まれる前から皆さんに愛されている作品の、30年ぶりの新作を制作するスペシャル企画ということを伺いまして、お話をいただいた時はとても嬉しかったです。昨年『仮面ライダーガッチャード』(第9、10話)に出演させていただいた際に、ファンの方たちから「ウルトラマン、仮面ライダーに出て、あとはスーパー戦隊だけだね!」というコメントをいただいたんですけど、『ガッチャード』よりも前に『カクレンジャー』は撮り終えていたんですよね。「早くみんなに言いたいな!」と思っていました。


――『カクレンジャー』の撮影はいつ頃でしたか?

木下昨年の夏です。約1年前ですね。

同席の瀧島南美プロデューサー『カクレンジャー』の撮影中に『仮面ライダーガッチャード』の松浦(大悟)APから「『ガッチャード』に木下さんをキャスティングしたいんです」という電話をもらったんです。もちろん嬉しいことなんですけど、今年の7月に『カクレンジャー』に木下さんが出演することが発表されたときに、ファンの方たちが「『ガッチャード』に出たからだ!」って言っていて(笑)。こっちが先なのに!

木下ガッチャされてしまいましたね(笑)。

瀧島結果、「『ガッチャード』の聖さん」というキャラクターも引っ提げて、『カクレンジャー』に話題性をもたらしてくれました!


――そもそも木下さんが出演された経緯は?

瀧島新時代妖怪は特撮作品に縁のある方たちにお願いしようと監督と話していて。木下さんには以前、別の作品のオーディションでお会いして、いつかご一緒したいと思っていましたので、この機会に是非にと。それにお顔が好きなので。

木下ありがとうございます(笑)。


――カクレンジャーは忍者戦隊ですが、今回は木下さんも「花忍者」という役どころですね。

木下忍者を演じるのは初めてですが、衣裳が特徴的ですね。今回も監督や衣裳さんの強いこだわりがあって、衣裳合わせを何度もしました。色々と相談させていただいて、見映えやアクションの際の動きやすさを考えて、とても丁寧に作り込んでくださって。撮影に入るのがとても楽しみでした。


――木下さんが演じるガーベラの衣裳は『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した大魔王の手下である「花のくノ一組」と似ていまして、その系譜に属するキャラクターだと推察しますが、オリジナルの作品はご覧になりましたか?

木下私は2000年生まれで、『カクレンジャー』を観たことはなかったのですが、今回ガーベラを演じさせていただくにあたり、撮影前に色々調べようと思って拝見しました。現場に入ると、カクレンジャーを演じた5人の皆さんが少しも変わらない姿でいらっしゃるので、凄いな! と思いましたね。1


――映像を見るとロケが多い印象です。夏なのでかなり暑かったのでは?

木下めちゃくちゃ暑かったですよ!(笑)

瀧島彩音ちゃんは毎日現場にいたんですよ。

木下いましたね! 大森元貴さん演じる吾郎を幼少期から見張っているという役なので、色んなシーンにちょっとずつ映り込んでいるんです。


――アクションシーンもたくさんありましたね。

木下一部スタントの方に演じていただいているのですが、できる範囲は自分で演じました。私は今までアクションをあまりやったことがなかったので、撮影前にアクション練習の機会を設けていただいて、そこで坂本浩一監督に基礎から教えていただきました。


――坂本浩一監督の本領と言えばやはりアクションですし、今回はアクション監督も兼任されていますね。

木下監督にはみっちり仕込んでいただきました! アクションは普段使っていない筋肉をここまで使うのか! と驚くほど激しい動きに挑戦しました。悪役なので倒れたり、受け身をとったりする演技が多いんですけど、私はちゃんと強さを見せたかったんです。ヘナヘナと弱々しくならないように、メリハリの付け方を教えていただきました。また、刀を持つのも初めてだったので、持ち方から使い方まで何でも教えていただきました。そのおかげで、翌日は身体がバキバキで歩けないくらい。人生で最大の筋肉痛になりました(笑)。


――普段はスポーツをされるんですか?

木下やるといえばやるのですが、どちらかというとインナーマッスル系が多いですね。ピラティスやヨガをやっています。こんなに激しく体を動かしたのは中学生以来かもしれませんね。


――吾郎を見張る際にいろいろな衣裳を着るのは、やはり坂本監督のこだわりですか?

瀧島まあ、ナースはそうですね。

木下ナース服、着ました(笑)。

瀧島また、小道具さんのこだわりも……。

木下現場に行ったら赤眼鏡がたくさんあって……(笑)。

瀧島「眼鏡、どれがいいですか?」って言うんだけど「全部赤眼鏡じゃん!!」っていう(笑)。内輪ネタですけど、赤眼鏡ノルマもクリアーできました。

木下いろいろなスタッフの方がこだわってガーベラというキャラクターを作ってくださって感謝しています(笑)。坂本監督とも、また是非ご一緒させていただきたいです!


――木下さんは『ウルトラマンR/B』でも美剣サキという悪役を演じられていますが、美剣は悪人ではありませんでした。それに比べて今回のガーベラは真の悪人と言えますが、演じてみていかがでしたか?

木下振り切った「悪」でしたね。台本上でも最初から最後まで悪を貫いていたので、わかりやすくて役にも入りやすかったです。嫌な奴に見えるように頑張りました。ここまでの悪人は演じたことがなかったので、楽しかったです(笑)。説明台詞も多いんですよ。事件の経緯をすべて説明するので、「全部知っている黒幕」という雰囲気も出せるように考えました。


――印象に残っているシーンはありますか?

木下やっぱりアクションシーンですね。カクレンジャーと戦いましたから。

瀧島あのニンジャレッドとニンジャホワイトを相手に戦っています。

木下カクレンジャーボールまで食らいましたよ(笑)。


――大技ですね! 放送当時の「カクレンジャーボール」の映像はご覧になりましたか?

木下はい。ちゃんと観て予習しました。「おおー! あれを食らうのか!」と。それと「爆発」も印象深いですね。ナパームを使った爆発シーンも初めての経験だったので。思ったよりも炎の熱気が熱いんですよ。「熱っ!」って思いました(笑)。爆発は一発勝負なので、撮り直しできない、という緊張感が常にありました。


――共演者の方たちとは交流できましたか?

木下撮影の時よりも、アクション練習の時の方が、一緒に練習したり「ここどうしましょうか?」と相談をさせていただいたり、楽しかった印象がありますね。カクレンジャーの5人の俳優さんたちが私たちを輪に入れてくださって。和気藹々と交流できるような暖かい雰囲気を作っていただいて、本当にありがたいと思いました。
 また、同じシーンはなかったのですが、完成した映像を観て、貴公子ジュニア役の遠藤憲一さんが台本を読んで感じた印象以上に凄い演技をされていて、流石だなと思いました。カクレンジャーの皆さんもそうですけど、本当に30年経っても変わらず若々しいですね。


――冒頭にもお話されていましたが、ウルトラマン、仮面ライダーに続いて今回スーパー戦隊シリーズにも出演されましたが、今後特撮作品でやりたいことなどはありますか?

木下特撮作品には勝手にご縁を感じています! 『ウルトラマンR/B』に出演させていただくまでは、あまり触れて来なかったジャンルだったんですけど、自分が関わるようになってからは観るようになって、スタッフさんにお子さんが生まれた時などは特撮ヒーローのキャラクターグッズをプレゼントしたりするようになりました。今では自分の中でも身近なジャンルです。もちろん機会があったら、また出演させていただきたいです! 変身もしてみたいですね。私が変身するのなら敵だと思うので、これからも敵役を貫きたいですね。


――敵に限らず、でもよろしいかと思うのですが(笑)。

木下そこは敵で(笑)。先ほどお話したアクションも爆発も特撮作品でないと体験できない貴重なことです。特に私は以前からアクションに興味があって、お仕事を通して習得できるというのは、本当に嬉しいことですし、貴重な経験だと思っています。
 また、東映さんには特撮作品と並んで刑事ドラマというジャンルもありますよね。私は京都出身なので、京都撮影所で撮影されている『科捜研の女』は観ていましたし、刑事ドラマや謎解きが大好きなので、お声をかけてもらえるように頑張ります。


――京都のお話が出ましたが、京都が舞台となった『仮面ライダーガッチャード』第9、10話にも、主人公の宝太郎たちと京都で出会って加治木の憧れの人となる姫野聖役でご出演されましたね。

木下出演させていただきました。9、10話は宝太郎たちが京都に修学旅行に行くというお話で(東映)京都撮影所で撮影をするということで、私も京都の実家に帰って、そこから太秦の撮影所やロケ地になった渡月橋に通いました。やっぱり地元は落ち着きますね。実家から通えるというのも天国のような環境でした(笑)。それに地元で撮影すると、家族や友達からの反響も多いんですよ。「観たよ!」っていう連絡をたくさんもらって嬉しかったです。


――聖さんはセリフも京都訛りでしたね。

木下そうです。京都訛りで話していいということでしたので。やっぱり地元に帰ると自然と地元の言葉が出るので、やりやすかったです。


――『ガッチャード』で印象的なことなどありましたか?

木下ケミーが可愛かったです。現場にはホッパー1のプロップ(人形)があって、プロップに向かってお芝居をするというのも新鮮でした。これも特撮作品の特徴なんでしょうね。勉強になるシーンも多かったです。


――10話で聖さんがバッテリーマルガムに変身する合成シーンはホラー映画のような怖さがありました。

木下私もビックリしましたよ!(笑) アフレコで初めて見たんですけど、「ええーーー! こんなになるの!?」って思いました。リアルで、若干グロくて……。でも、おかげでマルガムになった後のアフレコは振り切ることができました。田﨑(竜太)監督からも「聖さんなんだけど、もはや聖さんではない」という説明があったので、声を低くして、怪人の声として思い切って演じました。


――聖さんは先日放送になった第44、45話にも再登場しました。

木下再登場は決まっていたわけではなかったので驚きました。オファーをいただけて嬉しかったですね。「また京都に行けるのかな?」と思ったんですけど、今回は東京での撮影でした。加治木役の加部亜門くんに「そんなに何度も行けるもんじゃないよ」と言われて、「そうだよねえ」と(笑)。加部亜門くんも同世代ですし、安倍乙ちゃんは同い年で、乙ちゃんは大阪出身ですけど、同じ関西出身ということで仲良くしていただきました。『ガッチャード』の現場は同世代のキャストさんが多くて楽しかったです。


――仮面ライダーに一度救われた人が再び怪人化するというのは珍しいケースだと思います。

木下そうですね。また怪人になってしまいました(笑)。今回思ったのは「アフレコって本当に難しいな」ということです。息遣いが難しいんですよね。こちらが攻撃しているときはやりやすいんですけど、攻撃を受けているときや、走っているときの息遣いは本当に難しいですね。


――木下さんは怪獣にも、怪人にも、妖怪にも変身した稀有な女優さんになりましたね。

木下そうですね(笑)。でも、やっぱり敵役は振り切れるから楽しいですよ。アクションやアフレコも頑張って習得して、これからも極めていければと思います! 7月に『仮面ライダーガッチャード』44話、45話の放送があって、8月4日には『カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』が配信されるということで、この夏は特撮作品に立て続けに出演できて、本当にありがたいです!


――では最後に改めて『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

木下『忍者戦隊カクレンジャー』30年ぶりの新作という特別な作品です。私は出演が決まってから『カクレンジャー』を拝見しましたが、それでも30年の重みや懐かしさを感じましたので、当時を知る方たちにとっては更に感慨深い作品になっていると思います。また、30年前と変わらないカクレンジャーに対して、敵対する私たち新時代妖怪は若い世代のキャストたちが演じていますので、これをきっかけに若い方たちが観てくださったら嬉しいです。
 私が演じるガーベラの見どころは、コスプレですね(笑)。忍者ですので、変装のためにいろいろな衣裳を着ていますので、是非見ていただけたらと思います。「こんな衣裳着るんだ!」って驚くと思いますので、注目していただけたら嬉しいです。

木下彩音
きのした・あやね
2000年2月21日生まれ。京都府出身。ホリプロ所属。第40回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、以来タレント、女優、モデルとして幅広く活躍。主な出演作にドラマ『佐原先生と土岐くん』、『パーフェクトプロポーズ』、映画『ブレイブ-群青戦記-』、『Bittersand』などがある。特撮作品では『ウルトラマンR/B』で敵側のヒロイン・美剣サキ役を好演している。
X(旧:twitter)■@ayane_kinoshita
Instagram ■@ayane.kinoshita


『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』8月4日(日)TTFCにて配信開始!

 TTFCオリジナル作品『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』は8月4日(日)配信スタート!
 豪華メンバーが集結した、30年振りのスーパー変化を見逃すな!!

忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編

[キャスト]小川輝晃●広瀬仁美●土田大●河合秀●ケイン・コスギ●大森元貴●神田伯山●木下彩音●青島心●橋渡竜馬●土屋大輔●土屋圭輔●高岩成二●高岩利恵●貴峰康之●五代高之●遠藤憲一
[声の出演]矢尾一樹
[スタッフ]監督:坂本浩一●脚本:下亜友美●製作:東映特撮ファンクラブ

公式サイト:https://tokusatsu-fc.jp/kakuranger30th/

©東映特撮ファンクラブ ©東映

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