HOME記事特撮『ウルトラマンアーク』萩原聖人インタビュー!アークの声と飛世テツヤを演じる氏が、作品への思い入れとこだわりに迫る!

『ウルトラマンアーク』萩原聖人インタビュー!アークの声と飛世テツヤを演じる氏が、作品への思い入れとこだわりに迫る!

2024.07.20

萩原聖人 ウルトラマンアークの声、飛世テツヤ

 毎週土曜午前9時から絶賛放送中の『ウルトラマンアーク』。明るくハートフルな本作で主人公・飛世ユウマが一体化・変身しているウルトラマンアークの声を担当しているのは、声優としても活躍する俳優・萩原聖人だ。今回はユウマの父・テツヤと二役で本作に関わっている萩原氏のインタビューをお届け! 特撮作品やおもちゃが大好きだという彼に出演の経緯や思い入れ、役の裏側などを語っていただいた。


――まずは『ウルトラマンアーク』ご出演の経緯から伺いたいと思います。お話が来たのは辻本監督からですか?

萩原 辻本監督からですね。監督とは前に一度別の作品(『コードネームミラージュ』)でご一緒したのですが、それもわりと特殊な世界観の作品でした。それゆえに自由な発想も許される作品で、一緒にお仕事をする機会は多くなかったのですがすごく楽しくて。いつかまたご一緒できればと思っていました。長く俳優をしているとそういう監督はたくさんいますが、実際に呼んでいただいてもタイミングや諸々の都合で必ずしもできるわけじゃないんですよね。でも今回は監督がこだわってくれたみたいです。監督は今回昭和のウルトラマンの「におい」みたいなものをすごく意識したいとおっしゃっていて、呼んでいただけたのは多分僕から昭和のにおいがするからじゃないですかね?(笑)


――ウルトラマンシリーズへのご出演が決まってお気持ちはいかがでしたか?

萩原 ウルトラマンシリーズは元々好きで出たい! と願っていました!! でもなかなか機会に恵まれず、そんななかこの歳でこういうお話をいただけたのは僕のキャリアのなかでも特別なことでした。だってウルトラマンですよ? 日本で知らない子はいないくらいの、それも昭和の時代からずっと残ってきた歴史あるヒーロー。世界でも人気があるヒーローの日本代表的存在のウルトラマンに出られるんですから、お話を受けたときは素直に監督に感謝しました。


――萩原さんは特撮作品へのご出演は今年二本目となりましたね。

萩原 そうなんです、『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』にも出させていただいて。夢のようですね。僕はフィギュアがずっと好きで、ウルトラマンや特撮作品は本当に好きだったので、「変身」をいつかしてみたいとずっと思っていました。昨今はわりと中高年の人が特撮作品で変身する悪役やヒーローをやるケースも増えているし、アベンジャーズが全員若いかと言ったらそうでもないという時代になってきていますよね。でもどこか、僕には縁がないと思っていました。だからここに来て二作品も続くというのはなんだか不思議です。「今か!」みたいな気持ちがありますね。


――特撮作品やおもちゃは子どもの頃からお好きだったのですか?

萩原 そうですね。あと絵を描いたり粘土でなにか作ったりするのも好きだったので、怪獣の絵を描いたりとか。僕、ヒーローよりも怪獣派なんです。だから怪獣消しゴムとかソフビとかを集めるのが好きでした。当時は「キングザウルスシリーズ」という怪獣の足形が付いているソフビがめちゃくちゃ欲しかったんです。うちは裕福じゃなかったので、そんなに買ってもらえなかったんですけど……。大人になると買えるじゃないですか。そしたら今度はキリがない(笑)。今はこだわって厳選して、特に気に入ったフィギュアを買っています。それでも棚に置ききれなくて……あと一番厄介なのが箱なんですよ。箱はかさばるんだけど捨てるに捨てられないものが多くて。それで最近はちょっと我慢しています(笑)。


――萩原さんが思うウルトラマンシリーズの魅力はなんでしょうか?

萩原 ウルトラマンとか仮面ライダーとか特撮作品は、子ども番組というイメージが僕ら世代の人たちにはあったと思うんです。でも今は大人が観ても楽しめたり、家族で観ても面白がれるコンテンツという広がり方をしていますよね。特に僕の知っているウルトラマンには、子どものときにこれを感じられると大人になってからいろんなことが乗り越えられるとか、これをずっと大事に持っていると夢に向かうエネルギーになるよとか、そういうテーマが普遍的にあったと思います。
 今回の『ウルトラマンアーク』は「想像力を解き放て!」というのがひとつのキーワードになっていますが、ウルトラマンも怪獣もすべては人間の想像から生まれてるんですよね。もちろん俳優の仕事も想像がすべてで、台本をいただいたときに読んで想像するところから始まる。当たり前のように見たり聞いたりして、想像する前にイメージできてしまうものが世の中に溢れているなかで、なにもないところから想像することの面白さや魅力が『アーク』にはいっぱい詰まっているんじゃないかと思います。


――先ほど「変身したいと思っていた」とおっしゃっていましたが、今回はその先、ウルトラマンそのものになりましたね。

萩原 そうなんですよね。大役だなと思いました。人間ではなく想像上の生き物で、宇宙人で、実体がなくて……という。僕の声でいいのか、ウルトラマンとしてちゃんと成立しているのかは正直自分ではわからないんです。自分の声の良い部分、悪い部分はいろいろあると思うのですが、もう50年もこの声で泣いたり笑ったり怒ったりしてきていますし……。それに僕らがいつも観てるウルトラマンの声はもう良い、悪いの対象じゃないので。三話でルティオンが喋るところを見せてもらったのですが、俳優としてはどうしてもやっぱり反省から入っちゃうんですよね。自己評価するのは難しいですね。

――ルティオンの声について、監督からはどのようなディレクションがありましたか?

萩原 監督が一番こだわられていたのはルティオンとしての会話よりも、戦闘中の「ショワッチ」だったり「ヘアッ」といった掛け声でした。ウルトラマン風にとかセブン風にとか、初代から順番にレオ風の掛け声まで7種類録って、それを使い分けるんです。やっぱり監督のこだわりは凄いなと思いました。それにマンやレオなどは知っているウルトラマンなので、監督がそういうふうにディレクションしてくれることで僕もイメージしやすかったです。
 ウルトラマンといえば「シュワッチ」というイメージがあるじゃないですか。たしかに掛け声にこだわらなければウルトラマンは成立しないのかもしれないと思わされて、こだわっていろんなバージョンを録りました。なかでも監督がこだわっていたポイントとしては「ショワッチ」ですね。「シュワッチ」じゃなく「ショワッチ」と言ってくださいと(笑)。掛け声に限らず、『アーク』ではそういう制作陣のこだわりも楽しんでほしいと思います。


――ウルトラマンアークには直接お会いになりましたか?

萩原 はい! アーク、生で見ると思ったより悪い顔してますよね。釣り目で、ちょっと恐い雰囲気もあるというか。それがかっこいいんですよ。意外にもシャープなかっこよさがありました。


――萩原さんが演じられたもうひとつの役、ユウマの父親の飛世テツヤについてはどういった印象ですか?

萩原 彼がどういう父親だったかは劇中ではそこまで描かれていないんですよね。いわゆる息子をとても愛している父親というイメージ。でも7歳で急に、しかも目の前で両親が亡くなったら人間どんなふうになるのかと考えたとき、ネガティブになるのか逆に前向きになるのか、それまで両親がどんなふうに接してきたかでその子の方向が変わっていくんだと思います。ユウマはちゃんといろんなことを想像してエネルギーに変えて生きることができたということは、テツヤもきっと良いお父さんだったんだろうと思います。


――SKIPのメンバーをはじめとした『アーク』のキャスト陣にはお会いになりましたか?

萩原 僕は戸塚(有輝)くんくらいしかご一緒していないのですが、彼はすごく素直でかわいいしかっこいい! 戸塚くんは今までのウルトラマンになる子たちとはちょっと違う印象でした。弱さもあるというか、「この子はもしかしたら脆いかもしれない」と感じるところも魅力だなと。これからますます素敵な俳優さんになるんだろうなと思いました。


――『ウルトラマンアーク』の見どころを教えてください。

萩原 ウルトラマンは観ていた子どもたちが一つの世代を作っていく作品です。だから、子どもたちが元気に頑張ろうって思えるようなウルトラマンになるといいなと。地球を守るとか人類の平和をとかそんな仰々しいことじゃくて、明日の学校が楽しくなったり元気で過ごせるような、そんな作品になっていると思います。『アーク』は特に作品全体が明るい雰囲気ですし、SKIPも決して怪獣を倒すという組織ではなくて、楽しく学べるウルトラマンになっているはずです。


――最後に視聴者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

萩原 取材を受けておいてなんなんですが、アークは僕だと思わないで観てほしいです(笑)。やっぱり僕の声には今までアニメや吹き替えでやってきたキャラクターのイメージがあるので。そういうのを一切抜きにして、僕のことは忘れてシンプルに「ウルトラマンアーク」を見てほしいです。
 ただ、何十年も役者をやってきたなかで初めてのことをやらせていただいたのはすごく新鮮でした。本当に自分の引き出しにないことだったので、もしかしたら変かもしれないし素晴らしいかもしれない。そこは観ているみなさんにどれだけルティオンとアークを愛してもらえるかに懸かっていると思います。だから僕自身も楽しみですし、みなさんにも楽しんでいただけたら嬉しいです。

萩原聖人
はぎわら・まさと
神奈川県出身。アルファエージェンシー所属。1987年に俳優デビュー。映画、テレビ、舞台と幅広く活躍し、代表作にドラマ『若者のすべて』、映画『マークスの山』、『CURE』など。近年では『Fukushima50』、『島守の塔』、『今夜、世界からこの恋が消えても』など話題作にも出演。また声優としても、ペ・ヨンジュンの日本語吹き替えやアニメ『闘牌伝説アカギ』、『賭博黙示録カイジ』などで高い評価を得ている。


『ウルトラマンアーク』毎週土曜日午前9:00~テレ東系列ほかにて放送中!

 監督と萩原氏こだわりの掛け声にも注目の『ウルトラマンアーク』は絶賛放送中。「想像力」を解き放つアークの戦いを見逃すな!

ウルトラマンアーク

[キャスト]戸塚有輝●金田昇●水谷果穂●西興一朗 ほか
[声の出演]広瀬裕也●萩原聖人 ほか
[スタッフ]監修:塚越隆行●製作統括:永竹正幸●製作:隠田雅浩●チーフプロデューサー:北浦嗣巳●音楽:林ゆうき●シリーズ構成:継田淳●脚本:継田淳、足木淳一郎、根元歳三、勝冶京子、吉上亮、本田雅也●監督:辻本貴則、武居正能、越知靖、湯浅弘章、鈴木農史●特撮監督:内田直之

公式サイト:https://m-78.jp/videoworks/ultraman-arc/

©円谷プロ ©ウルトラマンアーク製作委員会・テレビ東京

この記事が気に入ったらシェアしてください!

オススメの書籍

宇宙船 vol.185

ご購入はこちら

ウルトラマン ライドメカTOY大全2024

ご購入はこちら

後藤正行 TSUBURAYA ARTWORKS

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー