マジックファクトリー「M2A2 ブラッドレー」足周りを重点的に汚し塗装を施し、第47独立機械化旅団の車両を再現
2024.07.19M2A2 ブラッドレー ODS-SA 歩兵戦闘車 ウクライナ陸軍 第47独立機械化旅団【マジックファクトリー 1/35】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)
マジックファクトリーが放つ、現代のロシアタンクキラー
今なお戦争状態が続くウクライナの地より2024年1月、驚くべきニュースが飛び込んできた。アメリカから宇軍に供与された2両のM2A2ブラッドレーがロシア戦車T-90と渡り合い、ドローン攻撃も加え撃破したとされる映像が公開されたのだ。また5月にはロシア戦車T-80を同じくM2A2ブラッドレーがBGM-71 TOW対戦車ミサイルで撃破したとされる動画が公開された。さっそくマジックファクトリーから1月に発売された新製品は、その武勲を立てた第47独立機械化旅団の車両を再現することができる最新キットなのだ。
■ウクライナのブラッドレー
今回は、マジックファクトリーの1/35 M2A2 ODS-SAブラッドレー歩兵戦闘車“ウクライナ陸軍”の作例を担当させていただきました。
ウクライナはアメリカから供与されたブラッドレーを戦闘で使用しており、報道などでも目にする機会も多いかと思います。旧ソ連製のIFVに比べて防御力が高いブラッドレーはウクライナ軍の評価が高いという記事もありました。
さてマジックファクトリーですが、中国の新興メーカーで1/48のF4Uコルセアや1/700ジェラルド・R・フォードなど魅力的なアイテムがラインナップされており、今後リリースが予定されているものも気になるものが多いです。お値段が結構しますので、ちょっとツラいということもありますが……。
■キット内容と組み立てについて
キットはBRATと呼ばれる爆発反応装甲を装着したタイプと、それがないタイプが製作可能です。新しいキットなので、当然モールドは緻密でシャープ。砲塔のバスケットなどは3Dプリンター製のパーツが付属し、エンジングリルやブラケットなどはエッチングパーツが付属しており、転輪塗り分け用のテンプレートのパーツもあります(説明書に特に記述がないので、それに気づいたのは完成間近のことでした……)。
履帯は分割連結式、いわゆる、リンク&レングスと呼ばれるもので、組み立てやすさにも配慮された構成となっていると感じました。
今回はBRAT付きのほうで製作しました。組み立てに関しては特に合いが悪いということもなく、部品数はそれなりに多いもののスムーズに組み立てを行うことができました。
BRAT付きで製作する場合、BRATにヘッドライトを取り付けてから車体に取り付けることになりますが、フロント側のBRAT取り付けに関しての記載が説明書になく、説明書通りの手順で組み立てると車体に先にライトを接着してしまうことになるので注意してください。
塗装のために、履帯と転輪はいわゆる「ロコ組み」と呼ばれる方式で組み立て、サイドスカートとBRATも車体には取り付けず別で塗装しました。
■塗装
サーフェイサーを塗装後、下塗りとしてオキサイドレッド、下回りはマホガニーで塗装しました。BRATはタンでの塗装が指示されていますが、ネットでウクライナのブラッドレーの画像を見るとBRATは車体と同じグリーンで塗装されているようなので、車体と同じMr.カラーC511ロシアングリーンで塗装することにしました。こちらは単調な感じになるのを避けるため黒と白で下地を作り塗装しました。
車体の塗装色は、C511で全体を塗装後マスキングし、C127コクピット色(中島系)、C313イエローでデジタル迷彩を塗装しています。ウクライナ軍の車両に書かれている白十字はデカールも用意されていますが、VICカラーのホワイトを筆で塗装して雑多に塗られた感じにしてみました。仕上げは油彩にてドッティングとピンウォッシュを行い、ウェザリングはパステル粉、油彩で砂、土汚れを入れました。
最後に、ペリスコープ部分にはハセガワの偏光フィニッシュシートを貼り付けてアクセントとしてみました。
マジックファクトリー 1/35スケール プラスチックキット
M2A2 ブラッドレー ODS-SA歩兵戦闘車 ウクライナ陸軍 第47独立機械化旅団
製作・文/岸田賢
M2A2 ブラッドレー ODS-SA歩兵戦闘車 ウクライナ陸軍 第47独立機械化旅団
●発売元/マジックファクトリー、販売元/ビーバーコーポレーション●15620円、発売中●1/35、約18.7cm●プラキット
岸田賢(キシダケン)
飛行機から戦車までこなすスケールモデラー。ヘヴィ・メタルを愛してやまない。