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【Ma.K. in SF3D】フォトストーリーが復活! 1/35グラジエーターVSグローサーフント! 横山宏×MAX渡辺による迷彩塗装の作例2機を見逃すな!

2024.07.15

Ma.K. in SF3D/グラジエーター【海洋堂 1/35】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)

グラジエーターVSグローサーフント!!

 ハイペースで発売されている海洋堂1/35『Ma.K.』プラキットにグラジエーターが加わった。同スケールの装甲スーツと比べてボリュームのあるグラジエーター[後期量産型]は成型色違いの2個セットで販売され、その組みやすさも好評を博している。
 横山宏は後期量産型を若干仕様変更した2機を製作。新たに組んだ海洋堂製グローサーフントがグラジエーターを上方から襲撃するシーンを作り上げた。MAX渡辺は合計5機のグラジエーターを製作、そのうち迷彩塗装のストレート作例2機を今回は紹介する。堅実なフォルム、手頃なボリューム感と作りやすさを併せ持つ好キット・グラジエーターを前後編に分けてお届けしよう。

ARTPLA H.A.F.S.グラジエーター[後期量産型](2機セット)通常Ver.
●発売元/海洋堂●7700円、発売中●1/35、約13.5cm●プラキット●原型/谷明


傭兵軍 4足歩行型重装甲戦闘スーツ グラジエーター 製作/横山宏

「スーパージェリーより性能がいいからといって、この乗り心地の悪さはなんだ。4足歩行なんてクソくらえだ」
 広大な砂漠地帯を慣れないグラジエーターで強行偵察中の第3武装偵察部隊バリー・ボーナム曹長はそう嘆かずにはいられなかった。

 ぎこちない動きのボーナム機に続いて進軍するキャロル・メイジャー少尉は文句の多いボーナム曹長に今日も苦笑するしかなかった。その直後、異変に気づいたメイジャー少尉は声を張り上げた。
「クソっ! 人型の無人機だ!」
 グラジエーターのバイオバイタルリサーチに反応はなかった。哨戒中の無人機による単独襲撃だ。無人機はけたたましい音を立ててボーナム機に飛び乗りハッチをこじ開けようとした。
「ボーナム、下に潜り込め! 潜り込んで無人機の攻撃をかわすんだ!」
 メイジャー少尉は援護射撃を試みた。無人機は被弾するもハッチを引き剥がした。

 ボーナム軍曹のグラジエーターを撃破できないと判断した無人機はメイジャー少尉の追撃をかわして逃走した。ボーナムを救助するためメイジャーは深追いしなかった。
 夜になってボーナムのグラジエーターが放置された現場に“回収屋”が現れた。
「こりゃめっけもんだ。まだまだ動くぜ。問題はトラックで一度にこいつを運べるかだ」

▲後期量産型に移行中という設定で水タンクを外し、下部装甲板を初期型のものに自作変更した横山氏のグラジエーター
▲後期量産型の脚の下部には装甲が追加されている。本体後部のバンパーは真鍮線をハンダ付けして強度を確保。アンテナも追加した
▲識別帯となる赤を塗る箇所は機体ごとに変えている。赤地に青い目の3番機とグレー地に青目の4番機の印象は大きく異なる
▲機関部下の初期型装甲板をプラ板で自作。真鍮線のアクチュエーターを片側に接着したことで脚関節も可動
▲可動パーツを組み込みグラジエーター襲撃ポーズで製作した海洋堂製1/35グローサーフント。立たせることもできる
▲粗い筆のタッチの迷彩塗装が怪物感を増幅させる。かわいげのある部隊マークは海洋堂1/35キュスターのデカールを使用した
▲グラジエーター本体はモンキーローズとスカイブルーを調整した色を混ぜてできたグレーで塗られている
▲後部バンパーは真鍮線をハンダ付けしたものに換装
▲青のGに白の3を重ねて貼った「爺さん」を表した
▲︎脚の基部を2個ずつ繋いだ2本の真鍮線とプラ板製の初期型装甲板を接着した
▲フォトストーリーの特撮写真のディレクションを行う横山氏。2体が絡み合う戦闘シーンとあって全員ノリノリに

 オリジナルのグラジエーターをスクラッチビルドしたのは今から40年も前のホビージャパン1984年8月号でした。そしてその号には海洋堂がこれから東京に進出するという広告が出ています。ちょうど40年後の2024年8月号に海洋堂の1/35グラジエーター特集が載るのはなんだか感慨深い話ですね。
 谷明さん原型のグラジエーターは素晴らしいフォルムでしかも手軽に組める優秀なキットです。カロリーの高いゴージャスなキットもいいけど、こういうお手軽キットはたくさん作りたい系の人向きだね。キットはプラの色が2種類の2機セットなのでモールドカラーの組み合わせを楽しむのもいいですよ。今回発売されたのはラプター型ハッチの後期量産型です。装甲や武装がフル装備されてる時はまず引き算したらさらにカッコよくなるんです。水素エンジン用の水タンクを外したり機体下面装甲板を薄い初期型のものを自作して換装したりと引き算します。そんな後期量産型に続く途中のタイプとして仕上げてみました。
 そして今回はやると少し見映えが良くなる工作をやりましょう。脚の関節のアクチュエーターのケーブルは再現されていないので0.3mm真鍮線を片側だけ接着して可動できるようにしました。本体後部のバンパーも真鍮線に置き換えてハンダ付けで固定しました。ハンダ付けする前に促進剤フラックスを塗っておくと毛管現象のように糸ハンダがスッと溶けて流れてビックリしますよ。
 グラジエーターはグレー系の2色迷彩に赤を塗り重ねています。このグレーは実は赤と水色だけを混ぜて作っています。マシーネンカラーのモンキーローズと傭兵軍の識別帯で使うGSIクレオスのスカイブルーを少しだけ明るめに調整した色を混ぜるとグレーになるのでビックリすると思います。まずは全体をざっくりグレーで塗ったあとモンキーローズの赤を広範囲に塗って、混色したグレーでその赤を塗りつぶします。同じ色が入ってるから重ね塗りもよく馴染みます。デカールは水色のGの上に白の3を貼り、赤のQの上に白の4を貼りました。「爺さんになったら出来るようになるよ」とよく言っているのですが、そのアンチテーゼとして「爺さん急死」にしておきましたがやはり急死しないように健康には注意して模型やりましょうね。
 塗っている途中で「トラックにグラジエーターを載せたらカッコよくなるな」と思って、1/36スケールのミニカーにバラしたグラジエーターを載せてみました。わしと同じ1956年生まれのフォードのF100という車で『マッドマックス』みたいなサビ仕上げで塗ってみた。ヒール君の1/35整備兵のフィギュアを横に立たせたらやたらかっこよくなりましたね。
 10年くらい前に1/20サイズのグラジエーターにグローサーフントが襲いかかってるように組み合わせたら凄く怖いシチュエーションが作れた。いつかそのシーンを作ってみたいと思っていたのですがまさに「今でしょ」と思ったわけです。それで1/35のグローサーフントを組み立てるんだけど、ありがたいことに可動用のパーツも入ってるんだよね!
 適当に調整して組み合わせると上手いこと襲撃しているポーズになったし、そのまま立たせることもできるのがいいでしょ。
 グラジエーターに襲い掛かるグローサーフントやグラジエーターを載せたトラックがあまりにもカッコいいので撮影日に特撮写真を多めに撮ってもらい、往年のフォトストーリー仕立てで構成してもらいました。なんだか40年前にタイムスリップしたような構成になって「爺さんキュン死」だね。

海洋堂 1/35スケールプラスチックキット

傭兵軍 4足歩行型重装甲戦闘スーツ グラジエーター

製作・文/横山宏

© Kow Yokoyama 2024

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