『原子怪獣現わる』より、原水爆実験で目覚める太古の恐竜リドサウルスが、プラキットで登場!
2024.07.05灯台の電飾と映画ポスターを参考にフルカラー塗装を施す
怪獣映画の祖ともいわれる、ハリーハウゼンが特撮を手掛けた傑作SF映画『原子怪獣現わる』より、原水爆実験で目覚める太古の恐竜リドサウルスが、エクスプラスのプラキットシリーズに参戦。キットは1/72スケールで、初めてリドサウルスがニューヨーク市の海岸に上陸した様をビネット風に切り取っている。作例は情景王・山田卓司が担当。モノクロ映画だったため、リドサウルスのカラーリングは映画ポスターを参考に着色。後に崩されてしまう灯台には電飾を仕込み、雰囲気ある一品に仕上げている。
オールドSF映画ファンの間では超有名な『原子怪獣現わる』です。1951年のレイ・ブラッドベリの短編小説『霧笛』(The Fog Horn)の原作通りに灯台の霧笛に導かれたリドサウルスをモチーフとした、いかにもエクスプラスらしいプラキットとなっております。映画は原水爆実験により太古の怪獣(恐竜)が甦るということでは『ゴジラ(1954)』の先輩格にあたるのですが、後に作られた『大怪獣ガメラ(1965) 』でも「北極圏の氷の下で眠っていた古代の怪獣が核爆発によって甦る」「灯台を襲撃」という点で影響が見られ、怪獣映画の祖ともいえる作品です。
体表にびっしりとウロコがあるため、インジェクション成型には不向きと思えるのですが、本キットでは多方向からの分割により巧みに表現されております。ダボが設けられておりパーツは隙間なくぴったりと合いますから、樹脂分が含まれた普通のプラ用接着剤を表面にたっぷり塗布した後に、指で擦って馴らしてやることで合わせ目は簡単に消すことが可能です。口内、舌、下アゴ、頭部から胴体、尾と接着。前脚、後脚のブロックごとに接着。合わせ目消しをしたあとに、全体を組み付けるという手順で組み立てると合わせ目消しがしやすいと思います。
灯台は灯篭部分も透明パーツでしっかりと造形されており、電飾を仕込むのも簡単です。バルコニーの支えとなる「持ち送り」という部分は説明書をよく見て、パーツの付け間違いがないように注意します。
今回は鉄道模型のTOMIXの電飾キットを使いました。灯篭は白色LED、灯台の窓は電球色のチップLEDを使いました。パーツの内側はアルミテープを貼り付け、遮光と乱反射の効果を狙っています。
塗装は口内の塗装を先に済ませてからマスキングしておき、ブラックサーフェイサーで一度すべてのパーツを塗り潰し、その後に上方からホワイトサーフェイサーをエアブラシ塗装して明暗のグラデーションを付けます。その後にリドサウルス、灯台、ベースそれぞれに薄く塗装してモノクロ画像に着色したような雰囲気にしています。当時の映画ポスターを参考にリドサウルスは体色をグリーン。眼の下と腹の部分にレッドを入れました。
灯台は灯篭や窓をマスキングしてから石積みらしいグレー系で。部分的に暖色系や寒色系を使って変化を付けています。
仕上げはMr.ウェザリングカラーで全体のトーンを抑えた後にドライブラシ塗装。塗料を筆に含ませてから紙などで筆の塗料を落とし、乾いた筆先を擦り付けるように塗装します。奥まった彫刻には塗料が乗らず、出っ張った部分のみに塗料が乗って立体感が強調されます。
エクスプラス 1/72スケール プラスチックキット レイ・ハリーハウゼン リドサウルス
レイ・ハリーハウゼン リドサウルス
製作・文/山田卓司
レイ・ハリーハウゼン リドサウルス プラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●6600円、6月予定●1/72、約20cm(リド)、約23cm(灯台)※ともに台座含む●プラキット
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