谷明造型の真髄とガレージキットスピリッツをARTPLA「機甲界ガリアン 鉄の紋章 鉄巨神vs邪神兵」で実現
2024.06.21谷明造型の真髄とガレージキットスピリッツをARTPLAで実現させた挑戦的プロダクト
機甲界ガリアン 鉄の紋章 鉄巨神vs邪神兵
2024年5月末に発売された、天才・谷明(株式会社OZ)が原型を担当した話題のインジェクションキットARTPLA「機甲界ガリアン 鉄の紋章 鉄巨神vs邪神兵」(以下、「鉄巨神vs邪神兵」)。激闘の末に邪神兵を打ち倒し、その首級を掲げる鉄巨神というOVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』のクライマックスシーンをイメージして立体化された最新アイテムは、キット内容も機甲兵が実質2体分となるARTPLA史上最大級のボリュームとなっている。
サンライズ(現:バンダイナムコフィルムワークス)が1984年から放送を開始したTVシリーズ『機甲界ガリアン』。その劇中に登場する世界観を代表する巨大ロボットは「機甲兵」とよばれ、超古代文明によって産み出された巨神像と人型機械兵器の概念を取り込む形でその活躍が描かれた。そこからイメージを広げる形でOVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』では、出渕裕によって機械と人工筋肉が融合したイメージとハイディテールな要素が盛り込まれる形で機甲兵が新たにデザインされ、物語の中で中心をなす存在として描かれたのが鉄巨神と邪神兵という2体の機甲兵だった。作品世界を象徴する2体の機甲兵の戦いの決着の様子をイラストレーター高荷義之がOVA販促用ポスターとして描き、その迫力に衝撃を受けた谷の手によって立体化されたのがこのアイテムとなっている。谷の天才的な造型とケレン味を堪能できる大迫力の立体物が、ARTPLAとしてインジェクションキット化に至るまでには、実はかなりの時間がかかっている。
もともとの「鉄巨神vs邪神兵」の立体物は、「谷明の究極の造型を塗装済み完成品として展開する」という2010年代後半に立ち上がったまったく別の企画からスタートしている。
当時海洋堂が展開していた塗装済み完成品のアイテムは、生産性やコストの関係から、マスプロダクトの製品では原型の完全再現を諦めなければならない部分も大きかった。そこで新たな企画ではそうした生産場の都合や制約を度外視し、原型師が作りたいと思うアイテムを「造型で完全燃焼できる」というコンセプトのもと、ハイグレードな塗装済み完成品を目指す形で進められていた。そこで谷が立体化を希望したのが、先にも述べた高荷義之の描いた鉄巨神と邪神兵の戦いの決着を描いたイラストだった。谷が手掛けた鉄巨神vs邪神兵の原型は、製品化を目指して2010代後半には完成し、ワンダーフェスティバルで原型の複製品が展示されたりもしていたが、諸事情によって企画は中止となってしまう。
それから数年が経過し、海洋堂が本格的にインジェクションキットのブランドを立ち上げ、製品開発と販売に向けて動き出すことになる。そして、「ARTPLA」のブランドが誕生する中で、宙に浮いてしまっていた谷の傑作として仕上がった「鉄巨神vs邪神兵」の原型をインジェクションキット化すべく、企画が再始動することになる。
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