【H.M.S.】Stardust -Cloudy Opal Eye-【石野平四郎】
2021.06.15スクラッチビルド
Stardust – Cloudy Opal Eye –
空の星々が一つに集まる年の
大いなる星降りの夜、
アンタレスの輝きに似た一番星が
ついに大海へと落ちた。
蛋白色に光るその灯台のような巨体はぐるりと一転した後、
地平線を大きく跨ぎ、海底へと降りて行った。
『最後に見えたあれはおけさ笠のような形をしていたな、
祭事に集うのだろうか。それとも…』
製作・文/石野平四郎
毎回さまざまな分野で活躍する人々の手による、独自の作品世界をお届けしている本連載。今回は芸術家であり彫刻家の石野平四郎による作品「Stardust – Cloudy Opal Eye – 」をご覧いただこう。異星からの来訪者だというその姿は、不気味さだけでは片づけられない、さまざまなイメージがからまりあった、まさに変幻自在の異形。皆さんはこの作品にはたしてどんな感想を持つだろうか。
私が作家活動で取り組んでいるテーマの一つである「Astral Body(天体観測)」という対象物と自分と造形行為の“距離”を出力したシリーズの派生で、“物語”の「Stardust(星屑)」シリーズの第一弾。天然鉱物を中心に異星からの来訪者を形作りました。
伝説的ムックであるS.M.H.の意思を受け継いだ本連載に拙作を載せていただき大変光栄に思います。これからどんどん自分のクリーチャー愛を全力で形にしていきたいと思います。
石野平四郎(イシノヘイシロウ)
1992年神戸生まれ。美術家・造形作家。粘土素材で幻獣や怪獣、神々など、超常的な存在を実体化し造形。並行して美術家としても活動し自身の持つ造形表現とテーマが孕む問題と立ち位置の表明をするために、メインカルチャーとサブカルチャーの垣根の中を彷徨い探究し、新たなジャンルの存在を目指し確立することで芸術の細分化を目論んでいる。