HOME記事その他大森記詩オリジナルSFメカ「サムレット軍第801独立強襲大隊“ガルマチア”フルゼル・ガルマチア(北境戦線仕様)」ミキシングビルドと同時に構築される世界観にも注目【MIXINGSCAPE】

大森記詩オリジナルSFメカ「サムレット軍第801独立強襲大隊“ガルマチア”フルゼル・ガルマチア(北境戦線仕様)」ミキシングビルドと同時に構築される世界観にも注目【MIXINGSCAPE】

2024.06.19

MIXINGSCAPE/サムレット軍 第801独立強襲大隊 “ガルマチア” フルゼル・ガルマチア (北境戦線仕様) 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

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MIXINGSCAPE No.006

 彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々を今回もお楽しみいただきたい。

HPはこちら:kishiomori.com

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「ミシュー・フリンズ、外のはフルゼル・ガルマチアだ。」
「ガルマチアァ? ほお…ヨヘナ旗章に諸々多数…ははあ…サムレットの独立大隊か。久しぶりに聞いたぞ。」
「そうだろうさ。最後の徒党も北境で擦り潰れた。ざまあない。で? どうする?」
「北部野戦指令か…かつての精鋭達も霧と散るだな……もちろん歓迎だ。戦域証は思いのまま出そう。手堅いのはエルシアハン、次はモレストイだが、俺はメーリアンを推すぜ。でかい地下遺構が見つかったらしいから、近々発令がかかって掃討作戦も始まる。今夜発の輜重艦に便乗の手配をしよう。」
「いや、マイアークで頼む。」
「…ん? あんた…なあ、あそこに何の用だ? ありふれた戦場跡さ、よほどの変わり者だって寄り付きやしない。思い出を振り返る散歩にはまだ早いのさ…早いんだよ…なあ?」
「落ち着けよ、フルゼルはアクティブだ。カーテン越しに見てるぜ。ラジ・ストラーク・メイアスのご用命さ。」
「…どうやら、吹いてはいないようだな…あんたらも最後に稼いで、静かに寝床で終わるのがそんなに嫌かい。そんな奴は、もう一握りしかいやしないぞ。」
「そして、そこに一握りがいるんだろ? 頼むよ、差配官殿。」

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▲ 長くて関節の多い腕に脚、気付くとすぐこんな芯棒を組んでしまうわけですが、好きなのだから止む無しですね。土踏まずを強調したような足は一見して動きそうな外見になるため良いのですが、量がついてくると重さもかかってくる部分のため芯棒の段階でしっかりと組み、パーツが付いてきたら接続に金属線、隙間にエポパテを充填するなどの補強を随時していくと安心です
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▲ 角丸なシルエットにしたいなと思いつつ始めたわけですが、何やら良さそうなバイクのタンクと思わしきパーツを見つけました。前後逆向きにして頭部として当てがってみます。長い腕部と相まって鳥類のような趣きになったので、これに連想して指先もそのような方向性にしてみました。胴体部からパーツを付けつつ手先足先と、末端が決まっくると進めやすいです。ここからどんどん外装などを取り付けて着膨れさせていきます
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▲ 外装は緩やかな丸みが欲しかったので、プラ板を切り出し、エポパテを盛り付けています。今回のランナー流用ですが、ハセガワのクァドラン・ローのランナーに良いカーブがあったので、センサー基部周りのバーとして使いました
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▲ 背面の機関部らしいところは、定番になりますがバイクのマフラーやキャラクターモデルのパーツを組み合わせています。レックウザの太くて深い模様のモールドがワンポイントに。また、キャラクターモデルのパーツは裏側にリブや嵌め込み穴がありますが、これがスケールモデルとは一風変わったディテールになってくれていたりもするので、流用の際は表より裏側を見ていることが多いです
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▲ 左腕の連装火器は、Fw190のガンポッドから着想しています。プラ容器などを芯にしながら合わせてプラパイプも埋め込んでおき、銃身のディテールも同様のパイプで作りました。タミヤのプラ材パイプシリーズ各種は程良い厚みもあってさまざまな場面で活躍してくれます
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▲ 塗装前に溶きパテで装甲を中心にテクスチャーを加えていきますが、外付け装甲の面積が多いので気付けば機体のほとんどがグレージングパテカラーになっていました。モチベーションが上がる良いグリーンですよね
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▲ もしも背景になる物語があって、それに登場する主役級かそれに準ずるようなメカを作るとしたら?というのが今回のメインテーマでした。これまでの連載機体との関係性としてはNo.001と002の間という位置付けです。時系列としては002→001といった順番なのですが、いやはや、ややこしいですね。そんなことばかり考えている日々です。そのようなわけで、002のような前傾フォルムにしつつ、外装などは001のテイストへ繋がるようにしてみました
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1/16スケール スクラッチビルド

サムレット軍第801独立強襲大隊“ガルマチア”フルゼル・ガルマチア(北境戦線仕様)

製作・文/大森記詩

全高35.5cm×全幅33cm×奥行き22cm


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