HOME記事キャラクターモデル「VF-2SS バルキリーⅡ」ネックス機をシルビー機に 往年の好キットをアップデートしてさらに見映えを向上!【マクロスⅡ】

「VF-2SS バルキリーⅡ」ネックス機をシルビー機に 往年の好キットをアップデートしてさらに見映えを向上!【マクロスⅡ】

2024.06.09

VF-2SS バルキリーII+SAP【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

往年の秀作キットを令和の時代にリバイバル!

 初めて『マクロス』の続編として制作されたOVA『超時空要塞マクロスII LOVERS AGAIN』。本作からはヒロインのひとり、シルビー・ジーナが駆る「VF-2SS バルキリーII」の作例をお送りしよう。『マクロスII』展開当時に1/100スケールで発売されたキットは、ブルーのワンポイントで塗られたネックス・ギルバート機として立体化。部分的な差し替えも併用し、バトロイド/ガウォーク/ファイターの3形態をバランス良く再現した好キットである。渡辺圭介による作例は、カラーリング変更によりメインヒロインのひとりであるシルビー・ジーナス機を製作した。本来のキット仕様を最大限リスペクトしつつ、プロポーションの調整や細部ディテールアップで各形態の見映えをより向上。同スケールで展開されている現HGシリーズの各バルキリーたちと並べられるようアップデートを施している。

》SPEC.

所属:地球統合軍
全長:—
空虚重量:—
エンジン:タカチホフ 熱核反応タービンエンジン×2
武装:対空レーザー機銃×2、ガンポッド×1、スクアイアー×1、ウォーレン製RG-022レールガン×1、ミサイルランチャー×2
パイロット:シルビー・ジーナ

▲キットは背面と四肢に追加装備するスーパーアームドパック(SAP)装着状態で立体化。劇中でもこの形態で活躍する。本体全高に迫る長さのレールガンが特徴的だ。発売当時から評価が高いキットで、作例は一部プロポーション改修も行ってはいるものの、基の形状がかなり活かされている。赤いラインはシルビー機のもの

▲太モモ、スネの変形に差し障りない位置を伸ばすことで脚部を全体的に10mmほど延長。着陸脚のカバー部も設定画に近い形状に修正し、開閉式ではなく着脱式にしている。SAPと一体化している尾翼は一度切り離し、削り込みと角度調整を行って、塗装後に再接着した

▲脚部を固定するパーツを差し替えることで、破綻なく3形態に変形が可能。ある意味でHGシリーズの源流と言えるキットかもしれない

▲キットはネックス機を立体化しており、右脚にネックス機用ガンポッドを格納。一般機が使用するガンポッドも付属する

▲頭部は後方がすぼまるように幅詰め。マスクを切り離してクリアーパーツを後ハメ化し、レーザー機銃は少し長めにプラ棒に置き換えた。胸部はインテークをプラ板でふさぎ、機首や胸部の各エッジをプラ材やポリパテを充ててから削り出してシャープ化した

▲肩アーマーは分割位置を変更して後ハメ加工。手はHGBC次元ビルドナックルズ「角」で握り拳と平手を追加した。武器持ち手はキットのものを使用する

▲SAP装備状態のためVF-2本来の主翼はたたんだ状態で固定されているが、作例は翼端灯をくりぬいてクリアー化。パックの下に隠れる統合軍マークまできっちり再現し、細部まで作り込んでいる

▲レールガン使用時にはSAPをフードのように被る。キットでも砲撃形態の再現が可能だ

▲SAP展開部は可動部分のポリパーツをプラ板で囲って塗装できるようにし、先端・後端部にプラ板でディテールを追加した

 今回は『マクロス』特集ということで、私は「VF-2SS バルキリーII」を製作しました。
 立体物には恵まれていない機体でプラキットはこの1/100のみ、今のようなデジタルな設計ではないため、昔のガンプラを作るのとそう変わりはありません。しかし3形態の変形が非常にバランスよく、とてもすごい設計です。幸いにもHI-METAL Rという素晴らしい完成品があるので、これを参考にしつつキットの変形を活かして製作していきます。

▶︎頭部
 あまりいじりすぎると変形に影響が出るのでほどほどに。クリアーパーツがあるのでフェイス部をカットして後ハメ化。頭が幅広気味なので、後ろにいくほど大きく詰めるように幅詰めし、後頭部の角度を調整。対空レーザー機銃は先端を細長いプラ棒に置き替えました。

▶︎腕部
 肩パーツは塗装を考えて片側をカットして後ハメ化。手は複数ほしかったのでサイズが近いHGBC次元ビルドナックルズ「角」を使用。ボールジョイントの球部分を削って、棒状にして挿すようにしています。そしてプラ板で手首のポリ隠しを追加。

▶︎胴体
 機首は先端を少し尖らせながらラインを調整。キャノピーが肉厚でコックピット内があまり見えないので、割り切ってキャノピーを裏から塗装して中を見えなくしました。バトロイド時に首を引っ掛ける部分が貧弱なのでプラ板で補強。インテークは中が丸見えなので、奥はスジ彫り入りプラ板、上側はプラ板でフタをしました。バトロイドで胸周りになる部分は、少し削ってパテを足してから削り出してエッジを立てています。背中の翼は押し出しピン跡が目立つのでパテ埋め。ついでに翼端灯は周りごと大きくカットしてからクリアーパーツに置き換えています。

▶︎脚部
 最大の難所でありメイン部分。かなり短めに感じるので延長しました。キットはSAPが付いた造形なので、ただ切断して延長、とはいかず、また変形のために裏側のダボ類を移動させないように工夫しながら切り、太モモで4mm強、スネあたりで同じく4mm強プラ板をはさんで、合計9~10mm程度延長しました。
 太モモは幅広なので、エッジを出しつつ少し細めなラインに整形。インテークは新たにプラ板で製作し、太モモのダボ穴をカットすることで後ハメにも対応。着陸脚のカバーはアーマーとの関係を考えてラインを変えたので、プラ板で丸ごと新造して着脱式にしました。尾翼は一度SAPから切り離し、厚みと角度を微調整しつつ後ハメ化。

▶︎スーパーアームドパック
 接続アームのポリパーツをプラ板でカバー。フラップのヒンジの切り欠きもふさぎました。裏側の見えそうな部分は適度にプラ板でふさいでいます。

▶︎塗装
 キットはネックス機なのですが、より物語の主軸のキャラクターということでシルビーの機体色にしました。色は組図の画やHI-METAL R等を参考しています。
 下地に黒めのサフを吹き、少し残しながら軽めにグラデーションしつつ塗装します。
白=MSホワイト
赤=モンザレッド
グレー=#305グレー
グリーン=WML02ウォーカーグリーン+#305グレー
 またキットにはシールとデカールが付いていましたが、デカールは時間経過の影響でかなり劣化していて、水につけただけでバリバリの粉々になってしまうものが多く、すべては使えませんでした…。
 軽い汚しとスミ入れをして、ツヤ消しを吹いて完成です。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット VF-2SS ネックスバルキリーII スーパーアームドパック 使用

VF-2SS バルキリーII+SAP

製作・文/渡辺圭介

VF-2SS ネックスバルキリーII スーパーアームドパック
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2420円、発売中●1/100、約14.5cm●プラキット

©1982,1984,1992,1994,2002,2015 BIGWEST ©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS

このイベントが気に入ったらシェアしてください!

渡辺圭介(ワタナベケイスケ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2024年7月号

ご購入はこちら

HJメカニクス14

ご購入はこちら

ホビージャパンエクストラ vol.23

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー