ウェーブ1/72ガリアンを使って「ガリアン重装改」を再現! カラーモジュレーションとウェザリングで重厚感を演出!!
2024.04.23カラーモジュレーションとウェザリングで重厚感ある仕上がりに
1984年、高橋良輔監督作品『機甲界ガリアン』より、ガリアン 重装改を、ウェーブ1/72スケールキットを使い製作。重装改は未発売ではあるが、特別にイベントで展示したサンプルを工面いただき、ノーマル版のガリアンと組み合わせることで再現することができた。作例は更井廣志が担当。カラーモジュレーションとシリコーンバリアーによるチッピングなどのウェザリングで、1/72スケールならではの重厚感溢れる作品に仕上げている。
機甲界ガリアン
□1984年10月5日〜1985年3月29日□日本テレビ系□メカニカルデザイン/大河原邦男、出渕裕
高橋良輔監督によるロボットファンタジー第3弾。クレセント大銀河イラスタント太陽系第五惑星アーストを舞台に、マーダルによって国を追われたボーダー王国の後継者ジョルディと、征服王マーダルの戦いを描く。登場ロボットは、超古代文明が開発した大型乗用戦闘兵器を現代アースト人が発掘したもので、中世の騎士を彷彿させる重厚感溢れるスタイルとなっている。
【カラーリングデータ】
下地色サーフェイサー→シリコーンバリアー(外装のみ)→サーフェイサー各色→本塗装下地サーフェイサー=赤白黄=メカサフ ライト+グレーサーフェイサー
メカフレーム=メカサフ ライト
赤=サーフェイサーエヴォ パステルピンク→3番・レッドでグラデーション
白=GXホワイト→シャドー部にクリアーブラック+クリアーパープルでグラデーション
黄色=サーフェイサーエヴォ レモンイエロー→エヴァイエローでグラデーション
目=スターブライトブラス
額=GXメタルブルー
剣の刃=フレームメタリック2
剣の柄=337番・グレイッシュブルー
武器=ATー04 パープルグレー
バーニア=スターブライトジュラルミン
スミ入れ色
白部=リアルタッチマーカーグレー1、Mr.ウェザリングカラーマルチグレー
黄部=リアルタッチマーカーオレンジ1、ブラウン1
赤部=リアルタッチマーカーレッド1他
■はじめに
今回は重装備となった重装改のレビューです。追加装備の背中の飛装砲、重装砲(二門)、盾で、より力強さが増していますね。本体は合わせ目消しが必要のない構成ですが、追加装備には必要です。目立つ箇所ですので丁寧に処理しましょう。
本作例ではさらにディテールを追加し密度感を上げました。塗装は基本的にカラーモジュレーション法で意図的に光と影を演出、立体感を強調し、退色表現も加味しています。スケールモデル的なアプローチで、リアル感を出しつつ1/72スケールということを考慮して繊細な仕上げとしました。チッピングはシリコーンバリアーによる物理的な剥しによるものです。描き込むより自然なので好んで使う技法です。
■汚し塗装など
Mr.ウェザリングカラー各種でウォッシング、ピンウォッシュ。タミヤエナメルのクリヤーホワイト、クリヤーブラック+クリヤーパープルなどでストレーキング表現。真鍮ワイヤーブラシ、ヤスリ、デザインナイフなどで全身に細かくチッピング。足元には土埃表現としてタミヤアクリルデザートイエローを薄く吹きました。また、チッピングの他にダメージ表現として盾を中心にデザインナイフなどで浅い刀傷を入れました。
■おしまいに 〜ガリアンの思い出など〜
私の住む地域では日曜の朝に放送がありました。当時の私は16歳。果たして全話観たのかもう定かではないですが、重厚かつスケールの大きなEDソングが印象的で、日常から解き放たれたかのような感覚は今でも覚えています。
あれから40年以上経ち55歳になりました。マーダルとアズベスの年齢(53歳と54歳)を超えてしまったことに畏怖を感じますが、あのふたりのように信念を持って生きていければと思います。ちなみに我が息子は12歳で偶然にもジョルディ王子と同じ年齢です。不思議な気分です。当作例を担当したことによりあらためて全話を視聴したのですが、その舞台設定や重厚なドラマに痺れました。
メカもそれぞれ個性的でとても魅力的なので、どんどん立体化してくれると嬉しいですね。当時から重射兵モノコットが好きでしたが、このガリアンの横にはぜひ機甲猟兵ザウエルを並べたいですね。メーカー様どうぞよろしくお願いします。
ウェーブ 1/72スケール プラスチックキット
機甲兵ガリアン 重装改
製作・文/更井廣志
ⓒサンライズ ⓒ創通・サンライズ
更井廣志(サライヒロシ)
第2回全日本オラザク選手権銀賞受賞後プロデビューしたベテラン。細やかなウェザリングを得意とする。