ウェーブ新設計の「1/20フリーゲ」をMAX渡辺、横山宏による2作例でレビュー! さらにKATOOOのフリーゲ解説や香港の『Ma.K.』モデラー紹介も!
2024.01.16新生フリーゲ出撃!!
新設計のウェーブ製1/20フリーゲが満を持して発売! MAX渡辺は月刊ホビージャパン2020年4月号で1/20カウツと1/20ニーゼを組み合わせてフリーゲを製作しているが、実際のフリーゲは“二個イチ”フリーゲと異なる形状であることが本特集でわかるだろう。MAX渡辺、横山宏両氏の作例をじっくりご覧になってフリーゲの魅力を味わっていただきたい。
さらに香港の『Ma.K.』モデラーKh Yeung氏の作例も紹介。今回も充実の内容でお送りしよう。
P.K.A.[Weltraum] Ausf F フリーゲ
●発売元/ウェーブ●4400円、発売中●1/20、約12cm●プラキット
シュトラール軍宇宙用装甲戦闘服F型 フリーゲ
製作/MAX渡辺
■模型芸人MAX渡辺
ironmanに返り咲き成功!!
2023年12月3日、西オーストラリアバッセルトンで開催されたironmanレースに参戦しました。7人の日本人トライアスリートとコンドミニアムで和気藹々と寝泊まりし、手作り料理で体調を整えての参戦。昨年から引き摺っているアキレス腱炎とヒザの炎症で練習不足もここに極まれりの崖っぷちでしたが、どうにかこうにか完走することが出来ました。再発を避けるため1日10km以上走らない縛りを自らに課していましたが、毎日の散歩でボクを引き摺り回してくれたロンさん(ありがとう♥)と家族、そして同宿のトライアスリート仲間たちのおかげです。You are an ironman!!️ このアナウンス、再び聞けて感無量です。
■祝♥ウェーブ1/20フリーゲ発売!!
カウツ発売から実に4年1ヵ月!! 枕を濡らし、一日千秋の想いで待ちに待っていたファンの方も多いはず! せっかちで生き急いでる模型芸人、2020年4月号にて辛抱たまらず、カウツとニーゼを二個イチしてフリーゲをでっちあげる大人げない作例を作っちゃってましたよ。カウツとニーゼを二個イチすると、メルジーネとフリーゲが出来ちゃうっていう連作で。「マテナイネン」だってさ。恥ずかしい「オ・ト・ナ♥」。
満を持して登場のフリーゲ、これさえあれば正真正銘のフリーゲが作れちゃいます。そう、ニーゼのハッチは窓の位置が違うんですよねぇ。どちらも甲乙つけ難いですよね。ってなに言ってんだこの人(笑)。
■工作はガチ素組み、ですが……
合わせ目、もとい接着線を処理する以外全く手を加えていない素組みです。とはいえ、組み立てに少しばかり工夫が必要なポイントが2点ほどありますので、そこを記しておきますね。
①正面ハッチ、クリアーパーツ接着
この部位、可動ヒンジがボディ側に組み込まれてからのハッチ設置となりますのでちょいと工夫が必要ですね。内壁のキャノピー接着がやりにくくてコツがいるんですね。ここのオススメはクリアーパーツの4ヵ所の接合ダボにタミヤセメント(白キャップ)をしっかりめに塗布して合わせるのが一番スマートかと思います。1回だと乾くのも速いので2度塗りがオススメ。合わせたらクリップで押さえたりするとより確実です。流し込み接着だと、可動部に接着剤が回って固めてしまう可能性もあるのでご注意くださいませ。
②肩関節を守るアーマーの取り付け
この四角いアーマー、取り付けないタイプを選択したらNo problemなのですが、これ、付くとイカすじゃないですか。でも接合部に指が回しにくくてちょっと大変。しかも接着しないとポロッと取れたりしやすくてね。できればリング部を接着したいのですが可動部に接着剤が回る恐れもありまして。ここの組み立てはアーマーを固定するリングを少し隙間を作るように中途半端にダボを差し込み→アーマー可動軸をスキマから挿し入れ→固定ダボに少量の接着剤を付けて→奥まで押し込む。これが一番無難な作業工程かと思います。塗装があらかた終わってからの作業となるので、塗装面を汚すことがないよう、慎重に進める必要がありますね。
■カラーリング、一発目はシンプルに白で
昔からのファンゆえ、『SF3D』初出時の全身ホワイトの機体は押さえておきたいのです。2020年2月号のカウツとお揃いのカラー&スカルのマーキングなので、ツーショットが撮りたかったし。なのですが、当のカウツが行方不明で揃い踏みは叶わず。ウサギのお耳スタビライザーを赤くしたのが結構似合っていてお気に入りです。
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
シュトラール軍宇宙用装甲戦闘服F型 フリーゲ
製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介
シュトラール軍 宇宙用装甲戦闘服F型 フリーゲ
製作/横山宏
ウェーブの新しいカウツから4年ほど経ってこのフリーゲも新金型での発売となりました。40年前の連載中、ファイアボールに対抗するシュトラール側の宇宙スーツも必要だと思ったわけです。フリーゲはこの時点で窓のあるタイプになります。そして長いこと『ウルトラセブン』の星人デザインが好きだったので色々な部分をキングジョーみたいにしちゃいました。コップを逆さに付けたようなバルジもまさにキングジョーへのオマージュですね。
フリーゲの窓がやや上向きなのは宇宙空間を移動する時に下向きだと上手く飛べないと思ったから。日東のフリーゲのキットはオリジナルモデルとそこの形状が違うんだけど、ウェーブ版は原型を作った脊戸君が、火災で燃えてしまったオリジナルモデルの形状を意識した設計をしてくれました。原作者である自分だけでは変化を出せない部分があります。キット化の現場合わせでおもしろい結果が出せたのはよかったと思っています。
3Qモデルや千値練の1/16塗装済み完成品のフリーゲやカウツはグリーングレーと白の折れ線迷でパッケージに仕上げました。今回のウェーブのフリーゲは逆に補色関係のバイオレットグレーで塗りました。第二次大戦のドイツ機にある色調でルナガンスもこんな色でしたね。写真では紫っぽく見えるけど、実際はそこまで紫じゃないグレーです。本体の迷彩はマスキングせず白を塗ったあとに鉛筆で境界線を下描きします。千値練の完成品の迷彩パターン(もともと自分が塗ったパターンですが)を見ながら境界線を描いたので時間を短縮できました。バイオレットグレーは細い筆で薄く何度も塗り重ねます。迷彩塗装のあと、黒系のウェザリングカラーなどで汚しを入れました。
パイロットは日東のキットに入っていたひげのおじさんがモチーフです。このおじさんにしてと確かわしがサイトウヒール君にお願いしたと思います。キャノピーはキットのままでクリアーを吹いてないけど、他の部分を塗る時にここに塗料がつかないようマスキングしておこう。
MAXさんが以前ウェーブのカウツとニーゼで作ったフリーゲ(窓の位置が今回のフリーゲとは違う)を今回持ってきてくれたけど、このフリーゲも悪くないね。おでこが出てる構造ってみんな好きなんだよね。でこっぱちフリーゲもかっこいいのでちゃんと飛べるように窓の上にシーカーを追加したニーゼヘッド型フリーゲもいつか作ってみたいね。
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
シュトラール軍 宇宙用装甲戦闘服F型 フリーゲ
製作・文/横山宏
香港の『Ma.K.』モデラー Kh Yeungの作例を紹介!!
SNSや模型展示会でビビッドなカラーの『Ma.K.』改造作例を発表し、横山宏、MAX渡辺両氏とも親交のあるKh Yeung氏が編集部を訪問。氏が持参した作例を紹介しよう。
はじめまして。Kh Yeungです。私は香港出身、在住の52歳で鉄道関係の仕事をしています。子供の頃、模型店で『SF3D』のキットを見たのが最初の出会いでした。「すごい! どうしてこんなスタイリッシュなメカが存在するんだろう?」と心を奪われ、今でも『Ma.K.』の模型を作るのが大好きです。ワンダーフェスティバルや模型展示会のために来日するようになり、今回ホビージャパンに作例を載せていただくことになり、感謝しています。
私は説明書に従って組み立ててから、マイオリジナルのパーツを追加します。『Ma.K.』のマシンをより強力にしたいからです。塗装はカラーチップでメインとなるカラーを探し、迷彩柄の好きな色を選択しますが、いつもメカニカルな迷彩柄を好みます。塗料は入手が容易なGSIクレオスのMr.カラーとガイアカラーを使用します。家にある塗料は20色ほどでレギュラーは白、黄色、赤、青。緑や他の色は混色して作ります。「今日はこの色を塗ってみよう」とフリースタイルで筆を置いていきます。全体の塗装後に戦闘で損傷したマシンを表現するために油汚れと弾痕のウェザリングを追加しました。
[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.122
シュトラール軍 宇宙用装甲戦闘服F型 フリーゲ
文/KATOOO(レインボウエッグ)
フリーゲはシュトラール側で初めて登場した宇宙用スーツです。本誌1983年5月号に初の宇宙兵器である傭兵軍のファイアボールが掲載され、同年11月号でフリーゲが発表されました。直接視認式のキャノピーやウサギの耳のような2本のアンテナ兼スタビライザーはファイアボールと異なり、フリーゲの回はひときわ印象に残りました。傭兵軍とシュトラール軍の宇宙スーツの対比が際立っていたからだと思うのですが、なぜキャノピー型の宇宙用スーツにしたのか横山先生にお話を伺いました。
「宇宙服を着ているパイロットが中に入っているのを見せたかったんです。『SF3D』の装甲スーツは中に人が入っていることを意識していましたし、シュトラール軍はその時点で間接視認システムがまだできていないからパイロットの顔が見えるスーツにしたんです。フィギュアが上手に塗れなくてシュトラールのスーツを敬遠する人もいるだろうけど、上手に塗れる人はかっこよく見せられますからね」
やがてカウツがデザインされ、シュトラール側も間接視認ステムを搭載した装甲スーツが台頭しますが、宇宙空間でパイロットの顔が見えるフリーゲは現実の宇宙服にも通じる身近なSF感をもったスーツなのかもしれません。
月刊ホビージャパン2024年2月号では、MAX渡辺さんがウェーブ製カウツとニーゼで作った“二個イチ”フリーゲ(本誌2020年4月号掲載)を持参し、新生フリーゲと比較することができました。予想以上にニーゼハッチとフリーゲのハッチは形状が異なり、全体の印象もだいぶ変わることが判明。横山先生もマッシブなフォルムになるニーゼハッチのフリーゲを気に入られていて、今後、マイナーチェンジしたバリエーション機が出てくるのではないかとひそかに期待しています。
“タマミー#12”横山宏賞、人気投票上位受賞者の作品を公開!!
2023年11月23日に『Ma.K.』模型展示会「tamagawa meeting #12」が川崎市総合自治会館で開催され、大盛況となった。横山宏賞(海洋堂賞を同時受賞)、入場者による人気投票上位受賞者の力作を公開しよう!
【横山宏賞、海洋堂賞】
【人気投票1位】
【人気投票2位(同率)】
【人気投票2位(同率)】
【人気投票4位(同率)】【LOVE LOVE GARDEN賞】
【人気投票4位(同率)】
ケローネンのカプセルトイ全5種が発売中!!
横山宏氏とタケヤマ・ノリヤ氏によるコラボ作品「ケローネン」のPVC製カプセルトイが発売中!! 腕と腰が可動式で背中のパイロット・O.T.M(オタマ)が着脱可能でカラーリングの異なる全5種がラインナップ。
ケローネン ザ・カプセルトイ
●発売元/ベネリック●500円、発売中●約6cm●カプセル商品(全5種)
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