待望のキット化「1/144 エンゲージSR3後期型」をキット攻略! プロモデラー桜井信之氏が製作ポイントを解説!【ファイブスター物語】
2023.12.17アワートレジャーの注目キットを攻略する
『ファイブスター物語』より、1/144 エンゲージSR3 後期型がアワートレジャーより待望のインジェクションキット化。キットはこれまでもF.S.S.造形で敏腕を振るってきたSyujyu氏が手掛けた1/100レジンキットの原型をもとに、T-REXの元木博行氏がインジェクションキット用に設計。一部ポーズ選択式の固定モデルとして完成させている。作例はMHキットを数多く手掛けてきた桜井信之が担当。PVC製左右ハンドパーツとダイキャスト製左右ソール(足底)パーツが付属する初回生産版をモチーフに、キット攻略のポイントも合わせて解説してもらった。ぜひ製作の参考にしていただきたい。
POINT1
頭部は2セット付属
POINT2
初回生産版はダイキャストパーツとPVC製左右ハンドパーツ付き!
1/144エンゲージSR3後期型キット攻略法
ここからはキットの攻略法をポイントを絞って解説。ポイントはパーツの合わせ目の調整とアンダーゲートにあり!
❶ボディの調整
❷アンダーゲート
先日、アワートレジャーからインジェクションキットのエンゲージSR3 後期型が発売となりましたので、今回遅ればせながら製作させていただきました。
早速キットを見てみると、ランナーはすべてグレー単色で成型されており、僕の大好きなスケールキットのような格調高い印象を受けました。しかしインストとランナーを見てみると、機体の配色に合わせて細かくパーツ分割が施されており、それぞれの色となる部分が同一ランナーにまとめられています。これはエアブラシシステムを持っていない方でも、缶スプレーなどで塗装することも可能ですし、究極的にはランナー状態でそれぞれの色に一気に塗装、簡単仕上げで組み上げることも不可能ではありません(ゲート跡など、若干のリタッチ塗装は必要ですが)。加えて本キットは各関節可動式ではなく、完全固定ポーズでモデライズされています。そのため組み立て工程は可動キットに比べ格段に容易で、MH独特の雄々しい立ち姿を誰でも手に入れることができることを示します。古くからレジン製の無可動MHに慣れ親しんできた僕としては非常に馴染みがあり、同時に安心感のある仕様でした。実際に組んでみた感想も、他のメーカーでは感じることのできない、組み立て工程やパーツ分割や構造設計が新鮮で、大変楽しみながら製作することができました。
塗装についてはパッケージ見本とは違うアプローチで塗っています。これまでも“白いMH”は何十騎も作ってきましたが、その時代や自分の年齢で好みも変化します。2000年代前半は、無条件にパール仕上げをしていたのですが、この十数年は真逆で、あえてパール仕上げを避けています。そこで今回は、ポルシェのレアカラーとして知られる「ムーンストーンホワイト」で基本色を塗っています。このかなりクールなホワイトはエンゲージ(ジュノーン)系には似合うのではないかと、かなり前から一度試してみたいと考えていました。現物はかなりの寒色ホワイトなのですが、月刊ホビージャパンの誌面ではどのように映っているでしょうか? 本騎のイメージカラーでもあるグリーンは、段階的なグラデーションを付けて、スネやベイルの特徴的なディテールを強調するように塗っています。
いままで1/144でのインジェクションキットに恵まれなかったエンゲージ後期型。ぜひこの機会に体験することをお勧めいたします。
アワートレジャー 1/144スケールプラスチックキット
エンゲージSR3 後期型
製作・文/桜井信之
エンゲージSR3 後期型
●発売元/アワートレジャー、販売元/東京フィギュア●8580円、発売中●1/144、約15.3cm●プラキット●原型/Syujyu、設計/元木博行(T-REX)
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桜井信之(サクライノブユキ)
著書「たった2日でできる! 週末ホビーライフ」が好評発売中。あらゆるテクニックに精通する模型の伝道師。