1/72「F-35AライトニングII」! 1/48よりも作りやすくなったこだわりの最新鋭ステルス機を丁寧に製作
2023.10.241/48のゲノムを受け継いだ1/72ステルス戦闘機
2006年に初飛行、2017年からは航空自衛隊へも配備が始まり、21世紀西側ステルス戦闘機のスタンダードとなりつつあるF-35AライトニングII。2022年末に発売、驚異のハイクオリティでモデラーの度肝を抜いたタミヤが、1/48キットの衝撃もさめやらぬうちに早くも1/72スケールへと展開。1/48で培ったステルス機ならではのフォルム、表面のRAMパネルやエアインテークなどのディテールをそのまま引き継いで約70%に縮小。主翼下に兵装を満載したビーストモードなど3つのモードでの製作が可能だ。よりシンプルに作りやすくなった最新鋭ステルス戦闘機の神髄に迫れ!
■待望の1/72ライトニングII
2023年静岡ホビーショーで展示された1/72 F-35Aが発売されました。先に発売された1/48に比べ、組み立てやすさを優先しパーツ数を大幅に減らした分割ですが、見せ場になるコクピットや機体表面の段差表現など、タミヤにしか実現できない内容となっています。
■見えなくなるパーツ
ほとんどの非ステルス機を正面から見ると、エンジンの回転するファンブレードが電波を反射してしまい、レーダー画面上では存在自体が丸見えになるようです。いっぽう、F-35などのステルス機は、ファンブレードにレーダー波が直撃しないようインテークダクトをY字型に配置し、コクピット真裏に来る構造になっています。つまりF-35のファンブレードは、完成するとほとんど見えなくなる悲しい運命なのですが、省略もされず、組立説明書には塗装色まで指定されています。この興味深い構造が手に取って実感できるのも模型製作の醍醐味ですね。
■キャノピー
1/72スケールだと雀のような大きさのF-35ですが、その頭に当たる部分に特徴的なキャノピーが存在します。零戦や雷電ような複雑な窓枠がいっさい存在しない、一体型のシームレス構造の美しいキャノピーなのですが、よく観察するとインナーフレームが存在します。1/72スケールだとクリアーパーツにフレーム枠を彫り込んで一体成型とするのも珍しくありませんが、このキットでは細いフレームが別パーツで用意されており、実感が半端ないです。接着時の失敗を防ぐために、今回はキャノピーとフレームは接着せず、内側にしまい込んだ状態でキャノピーを閉じています。キャノピーガラスへは内側からクリアーイエローとクリアースモークを混ぜた塗料を、エアブラシで吹いて仕上げています。
■機体組み立て時の注意点
年々パーツ精度が高くなり、ていねいにゲート処理さえ行えば接着後の分割線が見えなくなりペーパーがけ不要になっているタミヤ製品ですが、このF-35も驚異的なパーツ精度で成型されています。ただ表面のモールドも驚異的に繊細なので、流し込み速乾タイプ以外の接着剤を使うと、かえって汚く仕上がってしまいかねません。もっとも適した速乾タイプの接着剤でも、可能な限り最小限の使用量になるよう注意を払って組み立てました。基本チョン付けで、2度漬けは禁止です。
■悩んだ塗装色
キットの指定では明暗2種類の帝国海軍色を使い分けてステルス塗装色を再現していますが、実機写真から受けるイメージを優先し、今回はスパークリングシルバーに海軍工廠色の「舞鶴」(明)や「横須賀」(暗)を混ぜた、特製のグレーメタリックを作って塗っています。
タミヤ 1/72スケール プラスチックキット
ロッキード マーチンF-35A ライトニングII
製作・文/ヨンケイ
ロッキード マーチンF-35A ライトニングII
●発売元/タミヤ●4180円、発売中●1/72、約21.8cm●プラキット
ヨンケイ(ヨンケイ)
記録的に暑かった夏から秋になり各地で模型展示会が開催されモデラー達の親睦の季節になりました。私も2023年は横浜と北九州に遠征します。その時はよろしくお願いします。