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「MGケンプファー・シュヴェーア」キットレビュー作例! プロポーション変更と金属パーツ使用のディテールアップでさらに重厚感を出す

2023.10.21

ケンプファー・シュヴェーア【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)

ケンプファー・シュヴェーア イメージカット

『ガンダムビルドダイバーズ Genius Head Line』キット化第3弾は黒き “戦士(ケンプファー)”! ディテールアップで魅力をさらに引き出す

「ガンダムホビーライフ」(KADOKAWA刊)にて連載中の『ガンダムビルドダイバーズ Genius Head Line』より、「MS-18E ケンプファー」をベースとした「ケンプファー・シュヴェーア」が爆誕! 「ガンダムリンドヴルム」「ガンダムエクスインパルス」同様、プレミアムバンダイ販売アイテムとしてMG化。キット化にあたり、「MG ケンプファー」をベースに新規造形パーツを交えることで、ケンプファーの特徴を継承しつつもよりマッシブとなったプロポーションを再現している。
 キットレビュー作例はリンドヴルム、エクスインパルスに引き続き、オトカワが製作を担当。若干なプロポーション変更を加え、金属パーツを活用したディテールアップによってさらに重厚感が増した仕上がりとなった。

ケンプファー・シュヴェーア 正面、背面
▲謎のソロダイバー「黒曜」が駆る、ケンプファーをベースに耐衝撃、耐ビーム塗装を施した装甲を追加し、機体色を黒とした機体。「黒曜」の操縦技術と相まって上位ランカーをも圧倒するほどの強さを誇るが、横紙破りの乱入が運営に快く思われておらず、討伐ビルダーを差し向けられている。メカニックデザインは月刊ホビージャパンでも活躍するNAOKIが手掛け、ドイツ語で“重い”を意味する“シュヴェーア”と名付けられている
頭部アップ
▲頭部は額の追加装甲とマスク、そしてアンテナが特徴的
モノアイ部分
▲モノアイは基部パーツをそのまま利用しつつ、金属パーツのSPプレート2とH・アイズを組み合わせてディテールアップした
首パーツ
▲胴体ブロックとの一体感が出るように首パーツを1mm短縮した
胸部
▲胸部はエッジの効いた追加装甲が特徴的。「MG ケンプファー」では腹部の動力パイプはメッシュ素材だったが、今回は造形重視のプラ成型のものとなっている
胸部パーツ
▲腹部はボールジョイント側をいったん切り離し、プラ板を挟んで2mm延長した
フロントアーマー
▲腰部は新たにフロントアーマーが追加された
フロントアーマー裏面
▲フロントアーマー裏面にある肉抜き穴はプラ板とパテを使用して埋めた
滑走形態 正面、背面
▲ケンプファーと言えばのこの独特の滑走形態。新たにアクションベースに対応したジョイントパーツも追加された。バーニア類は今回の作例では金属パーツで質感を向上させた
肩アーマー
▲肩アーマーにスパイクがなく、スラスターを兼ねたサイドアーマーが追加された直線的なデザインとなっている。黒曜のパーソナルマークは新規デザインの水転写式デカールで再現できる
腕部
▲腕部は概ねケンプファーと同じだが、シュツルム・ファウストは左腕装備となっているので、新規でシュツルム・ファウストマウント用のラッチが増設された
左腕のシュツルム・ファウスト
▲左腕のシュツルム・ファウストのマウント箇所は、開閉の可動軸の目隠しパーツをプラ板で作りネオジム磁石で取り付けた。シュツルム・ファウストもプラ同士の噛み合わせでは塗膜が剥がれる可能性があるため、磁石で取り付けられるようにした
ハンドパーツとジャイアント・バズ
▲ハンドパーツは3Dプリント製品のロボマニ(丸指・2L)に変更。汎用品のためそのままでは武器を持てないので、ショットガン用は親指の角度を変更。ジャイアント・バズ用は親指付け根に金属線を取り付けグリップに差し込むことで保持力を確保した。また付け外しを考慮して、指や甲などはネオジム磁石接続にした
脚部
▲脚部も追加装甲により曲線と直線が両立したデザイン。足首のアンクルアーマーと、サザビーやシナンジュを彷彿させる靴の形状がキャッチ
前腕内側の外装パーツ
▲前腕内側の外装パーツはドリルで開口し、金属色に塗装したフレームがちら見えするようにした
スネ横の追加装甲パーツ
▲スネ横の追加装甲パーツにある丸穴は、いったんパテ埋めして接着面積を作ったのち市販のディテールアップパーツを取り付けた
太モモのカバーパーツ
▲左右分割で合わせ目が出る太モモのカバーパーツは、ディテールに沿ってパーツを切り離し分割線を変更し、合わせ目を消して後ハメができるように。またディテールが甘い丸モールドはハトメに置き替えた
ヒザパーツの裏側
▲ヒザパーツの裏側はプラ板を組み合わせて作った裏打ちパーツを設置した
ふくらはぎ部分
▲ふくらはぎの凸ディテールは少々形状が甘くなっているため、幅1mmの半丸プラ棒に置き替えた
背面
▲背面もほぼケンプファーの形状を活かしているが、本来ジャイアント・バズのラッチを取り付けていた部分に新規のスタビライザーが追加されている。代わりに首周りに新規パーツが追加され、ジャイアント・バズの取り付け位置が高くなった
ジャイアント・バズ
▲ジャイアント・バズのチューブ状ディテールは削り落とし、柔らかく加工しやすい金属線の「さかつう フレキシブル・ワイヤー 直径1.0mm」でディテールアップ
ショットガンと腰背面の懸架ギミック
▲ショットガンは2丁用意されており、腰背面の懸架ギミックも基のケンプファーと同様。懸架しない状態では空洞が気になるので、ディテールアップパーツを自作し塞げるようにした
素組みとの比較
▲素組み(左)との比較。プロポーションこそ大きく違わないものの、金属パーツの使用や全体のディテールを見直したことで精密感&重量感が増した。ハンドパーツもキット付属のものよりひと周り大きいので、より力強い印象となった
懸架状態
▲ジャイアント・バズは懸架状態でもリモートでの射撃が可能だが、もちろん手持ちも可能
ポージング画像
▲多数の武装を同時に使用しながら、最後にビーム・サーベルでとどめを刺すのが「黒曜」の戦闘スタイル

■はじめに
 本キットのベースとなるMGケンプファーの発売はなんと2001年。ですがその外見は最新キットに相応しくアップグレードされており、“シュヴェーア=重い”の名の通り、重量感を感じさせる現代的なデザインとなっている印象です。そのためこのままで充分満足できそうですが、少しだけ改修してさらに魅力を引き出せるように製作しました。

■モノアイ
 モビルスーツは目が命。特にジオン系のモノアイは特徴的なので、作品を印象付けるポイントになると思います。スリットが細いのでパッと見はあまり目立たないのですが、SNSなどでは作品の写真を大きく見せる機会がありますので、ここを作り込んでいるときっと“おっ!”と思ってもらえるでしょう。作例では市販の金属パーツを使用してディテールアップをしました。

■プロポーション
 足首部分が高くなっていることで脚部が長くなり、ケンプファーよりも頭身が上がっているのですが、より好みのスタイルになるように腹部で2mm延長。一方で首は1mm短縮して胴体と一体に見えるようにし、力強さを感じるプロポーションにしました。

■ディテールアップ
 ショットガンの照準プレートは削り落とし、必要に応じてオプション装備を変えられるというイメージで、あらかじめ溝が刻まれているプラ板を細切りにしてマウントレールを取り付けました。ジャイアント・バズは砲身と一体化しているディテールを金属線に置き替え、シュツルム・ファウストのマウントラッチは玩具感のある可動軸を隠すようにディテールアップしました。バーニアノズルはすべてキットの物を使用していますが、内側が寂しく感じたので中心部分にメタルパーツを配置。頭部バルカン砲の中心にもメタルパーツを配置しディテールアップしています。

■ビス止めの注意点
 ビス止めの肩・ヒジ・ヒザ関節ですが、もし一度ビスを外して再度締める際はすでにできているネジの溝を壊さないように、初めは力を掛けずに緩める方向に少し回し、ネジの溝にコツンとビスがはまる感触を確かめてから締めていくと良いでしょう。

■塗装レシピ
本体黒1=インナーブラック
本体黒2=NATOブラック
本体白=ニュートラルホワイト
本体メタリック=スターブライトアイアン(黒下地)
本体イエロー=らいとおれんじ
フレームグレー=メカサフ ヘヴィ
首元パイプ=ニュートラルグレー2
武装グレー=エンジングレー+ディープカーキ
武装レッド=エヴァレッド+エヴァオレンジ+ニュートラルグレー2(極少量)

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”

ケンプファー・シュヴェーア

製作・文/オトカワ

MG ケンプファー・シュヴェーア
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●6270円、受注終了、12月~発送予定(2次)●1/100、約18cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

©創通・サンライズ

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オトカワ

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