HOME記事スケールモデルビジュが良く親しみやすいスポーツバイクVT250F! 再現度の高い秀逸なキットを細かくじっくりとディテールアップ

ビジュが良く親しみやすいスポーツバイクVT250F! 再現度の高い秀逸なキットを細かくじっくりとディテールアップ

2023.09.23

ホンダ VT250F(MC08)(1984)【ハセガワ 1/12】 月刊ホビージャパン2023年10月号(8月24日発売)

ホンダ VT250F(MC08)(1984) イメージカット

打倒2ストのスーパースポーツ

 2ストスポーツ全盛期に「打倒2スト」を掲げ開発された4ストのホンダの星、VT250F後期モデルがハセガワよりリリース!
 スポーツバイクでありながら、その扱いやすさとビジュアルの良さでタウンユースのバイクとしても親しまれたVT250Fらしく、オマケパーツとしてタンクバッグがついてくるのがちょっと嬉しい。そんなキットをたのしがりやが製作! 質感やディテールの秀逸さに注目しつつ、キットレビュー的に仕上げている。

ホンダ VT250F(MC08)(1984) 正面
ホンダ VT250F(MC08)(1984) 背面
タンクバッグ
▲オマケパーツとして付属するタンクバッグ。そのまま使っても楽しいが、ツーリングらしい雰囲気を出すために外側のポケット部にビニールを貼り、その内部に地図を切り取ったものを入れてみた

 今回はハセガワのVT250Fの製作を担当させていただきました。新作が出るたびに精密な再現度に驚かされるハセガワのバイクキットですが、今回はまたもう一段進化した印象を受けました。まずフレームの分割が、実車と同じようにアンダーフレームの片方が実車同様の別パーツになりました。このおかげでエンジンを完全に組み上げてからフレームに乗せることができるようになり、製作がとても楽になりました。そして、シートの表現が素晴らしいです。タンデムベルトの食い込みなど、今までにないくらい柔らかそうな表現がされています。そしておまけのタンクバック。昔実際に使っていた私としては、嬉しくなって当時を思い出しながら作りました。

ホンダ VT250F(MC08)(1984) 右側面
座席シート
▲シートの質感表現が秀逸な本キット。ベルトの食い込み具合など、レザーの雰囲気が充分に表れている。影になる部分に少し黒を混ぜて吹けばよりそれらしくなる
ラジエーターホース パーツ
▲ラジエーターホースは、黒く塗装した上に100円ショップで購入したナイロンメッシュ布の切れ端を被せてからタイヤブラックを吹き付けることで強化繊維の凹凸を再現した
ラジエーターホース アップ
ホンダ VT250F(MC08)(1984) 左側面
フレーム

▲アンダーカウルは選択式。本作例ではどちらも再現できるよう取り付け部分を切り取った上でネオジム磁石を埋め込み簡単に着脱できるようにした。またタンクバッグもハセガワの両面粘着シートで簡易的に付けているだけなので着脱可能だ

ミラー パーツ 製作途中
▲ミラーの造形はかなりシャープ。念のため金属線で補強している
スタンド アップ
▲スタンドは金属線を通して可動式に変更。サイドスタンドはゴムになっている接地部まで再現されているのだが、設置状態を再現するには切り込みを入れて折り曲げる必要がある。本作例ではスポンジの表面に黒い両面テープを貼ったものに置き換えて簡単に設置状態を再現できるようにした
フレームやスイングアームの裏側
▲フレームやスイングアームの裏側は伸ばしランナーやプラ板と瞬間接着剤で裏打ちして補強
エンジンパーツ 
フィン部分

▲エンジンのフィン部分はタミヤのペイントマーカー、ナット類はガンダムマーカーEXのガンダムメッキシルバーで塗装。長いラインを塗るときは力を入れずに一気にいくとよい。失敗したらブラックで容易に修正可能だ

カウルを外した状態 右側面
▲カウルを外した状態
カウルを外した状態 左側面
チェーン パーツ
▲チェーンは見えるところのみ彫り込んで立体感を出した。慣れないうちは見えない部分で練習してみるのもおすすめ
センタースタンド パーツ
▲センタースタンドはスプリングのモールドも精密に再現されており申し分ないクオリティ。ということでここはそのまま活かしているが、接地部が埋まっているのでこちらを開口した

■製作
 実際に製作すると、部品は多めですが、精度が高いのでスムーズに製作できます。ホイールなども分割されているおかげでマスキングの必要がなくリアルに組み上がります。このように再現度に関しては素晴らしいので、純正エッチングパーツを使ったり、アンダーカウルをネオジム磁石による固定にしたり、スタンドを可動にしたり、フレームを裏打ちしたりと細々とディテールアップをしてみました。

■塗装
 塗装に関して、フレームは実車も鉄の角パイプを塗装したものなのでGSIクレオスの8番のシルバーを使い、ヘッドカバーなどは同じくGSIクレオスのスーパークロームシルバー2を使い輝きに差をつけました。黒い部分も実車のゴム、樹脂、塗装などの違いを意識して塗り分け。テールレンズやバッテリー周りなど、細かくて複数色を使う塗り分け部分があるので、気分が乗っているときにじっくり取り組んでいただければと思います。
 スイッチ周りの文字がデカールですべて再現されていたり、スターターモーターやチョークレバーの配線指示まであったりと、細かい部分もありますが、そのぶん実車を整備してるような気分が味わえますので、ぜひじっくり作っていただけたらと思う素晴らしいキットでした。

ハセガワ 1/12スケール プラスチックキット

ホンダ VT250F(MC08)(1984)

製作・文/たのしがりや

ホンダ VT250F(MC08)(1984)
●発売元/ハセガワ●3960円、発売中●1/12、約16.8cm●プラキット

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たのしがりや

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