混色無しの一発塗装で魅せる『ザ・ナイト・オブ・ゴールド』をオートクリアーとコンパウンドでさらに美しく彩る!【『ファイブスター物語』電気騎士伝説、再び】
2023.09.09ザ・ナイト・オブ・ゴールド =デルタ・ベルン 3007=【ボークス 1/100】 月刊ホビージャパン2023年10月号(8月24日発売)
F.S.S.カラーコレクションで高貴な黄金騎士を彩る
L.E.D.ミラージュV3に続き、同じく「壮宋祭」でお披露目された天照の帝騎「ザ・ナイト・オブ・ゴールド」を紹介しよう。キットはザ・ナイト・オブ・ゴールド本体に、儀礼用の大弓を追加したもの。ABSOMEC(絶対機構)の最新技術をIMSで初めて採用した関節機構はそのままに、高貴な姿を見事に再現している。作例は専用カラーである同社のF.S.S.カラーコレクションを活用。オートクリアーやコンパウンドとの組み合わせで、さらに美しいK.O.G.を完成させている。
F.S.S.カラーコレクションでモーターヘッドを塗る
K.O.G.カラーを混色なしで一発で再現できる、ボークスF.S.S.カラーコレクション。作例では、01 K.O.G.ゴールドと02 K.O.G.カッパーを使って、理想のK.O.G.カラーを目指した。
K.O.G.を美しく彩る塗装術
F.S.S.カラーコレクションを軸にK.O.G.の塗装術を作者の解説で紹介していく。
■組み立てについて
組み立ては説明図の順番通りに行うのがベストかと思いました。特に外装の取り付け時は仮組みを充分に行うほうがよいでしょう。腰部側面装甲は接着を先走るとあとから胴体を入れられなくなります。最後に接着した場合も胴体を外せなくなりますので注意です。ボトムカウンターウェイトも内部フレームC21を腰部土台へ先に接着してしまうと奥まで入らなくなります。A1、2のみを接着してA-9を最後に下から差し込む方法もありです。同じ色にて塗装する部分は可能な限り一体化します。特に外装については太いゲート跡、合わせ目、パーティングラインはまとめて処理をします。大弓とテールスタビライザーは細いので破損に注意。ランナーから切り離す前に、ある程度パーティングラインをナイフで処理しておくと扱いがかなり楽です。
外装が付いて見えなくなる部分は気楽に組みましょう。スリットから見える部分のみ合わせ目消し等を行えば、身体的負担も軽減できます。
■塗装について
気になっておりましたF.S.S.カラーコレクション01 K.O.G.ゴールドと02 同カッパーを用意しました。専用溶剤が入手できず、プロユースシンナーを1:2にて希釈。吹き付け感覚はカッパーよりもゴールドが塗りやすい気がしました。カッパーは私の想像以上に色味が薄く、発色の結果が分かりづらい感覚でした(※)。先にプラ板等で見本を用意して目の前に置いておくとよいかもです。
避けて通れないレッドの塗り分け。肩部分はデカールが用意されていますが、脚に合わせてマスキング塗装を行いました。太モモ部B15、16は塗り分け後の接着をおすすめします。先に接着しますとひと手間かかります(私は接着してしまいました…)。肩の凹部はエナメル塗料のホワイトを流して拭き取り作戦。スミ入れはダークブラウンを使用。
ファティマハッチはシルバー→クリアーブラックにて影色→クリアーイエローの順。外装の仕上げはオートクリアーを厚みが出ないようやんわり吹き、最後にコーティングポリマーにて磨いて終了。カッパーは吹きっぱなしにして外装との質感の違いを出しました。
■黄金騎士完成
こんなにゴールドをたくさん使ったのは久しぶりでした。最後は扱いに神経を使ってしまい、最終組み立てに5時間以上! 終わらない表面処理やマスキング、苦しんだ部分もありましたが、目の前にそびえ立った姿を見ると拝みたくなります。ご無理のない範囲にて、まずは1体、完成の喜びをぜひ味わっていただきたいです。
※リブート版K.O.G.の「全身ほぼ金1色に見える」という新解釈に基づいて開発された色具合によるため
ボークス 1/100スケール プラスチックキット “INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”
ザ・ナイト・オブ・ゴールド=デルタ・ベルン 3007=
製作・文/吉村晃範(JUNE ART PLANNING)
ザ・ナイト・オブ・ゴールド =デルタ・ベルン 3007=
●発売元/ボークス●9570円、発売中●1/100、約26.4cm●プラキット●原型/造形村F.S.S.プロジェクトチーム
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吉村晃範(ヨシムラアキノリ)
カルチャースクール、製作スペースでの模型教室で模型をレクチャー。 Twitter(現X)ID:akinori_xx