L.E.D.ミラージュV3の式典仕様を、優雅に美しく製作!【『ファイブスター物語』電気騎士伝説、再び】
2023.09.06L.E.D.ミラージュV3 =デルタ・ベルン 3007=【ボークス 1/100】 月刊ホビージャパン2023年10月号(8月24日発売)
ホワイトパーツとクリアーコートで美しい式典仕様らしく仕上げる
星団暦3007年、デルタ・ベルンにて行われた天照家創興4400年を祝う「壮宋祭」で、天照の帝騎「ザ・ナイト・オブ・ゴールド」とともに正式に初お披露目されたL.E.D.ミラージュV3。V3最大の特徴でもある背部の「フレイムユニット」が取り外され、頭部カウンターウエイトは後ろに長く伸びたものになり、両肩にダブルベイルを装着。式典用の長大なランスを携えた姿での登場となった。キットはこの式典仕様を新規金型パーツを存分に使い再現。L.E.D.ミラージュ本体も一部新規設計でアップデートさせるなど、さらに進化したキットとなっている。作例は月刊ホビージャパンMHキット初製作のNAOKI。超良好なキットの素性はそのままに、式典仕様らしい優雅で美しい仕上がりを目指している。
L.E.D.ミラージュV3本体もアップデート!
今回の「=デルタ・ベルン 3007=」仕様でのキット化にあたり、L.E.D.ミラージュV3本体もアップデートされている。
今回の作例ですが、形状的にはなんの不満もないので、ストレートに組んで塗装に注力しました。その前に製作工程ですが、近年のキャラクターモデルのようにまずは仮組んで全体像を…なんて思っていると一生完成しません(笑)。特にL.E.D.の場合、半透明装甲の裏側が透けてしまうため、パーツどうしの接続や固定のための堅牢な接続ピンが少なく、逆に接着面積の少ない装甲どうしの貼り合わせが必須な箇所も多くあるので、ある程度部位ごとに組み立てながら塗装していくことをおすすめします。そして、位置や角度を調整しながらパーツどうしを固定する箇所も多いので、流し込みタイプの溶剤系接着剤も必須です。特に装甲の貼り合わせのような接着面積の少ない部位だと瞬間接着剤だと心許ないうえに一定方向の衝撃に弱く、通常の溶剤系接着剤だと固定までに時間がかかり、位置決めに不向きな上にはみ出しのリスクもあります。逆にポーズ固定用の股関節やヒザなど、強度が必要かつ、接着面が充分に確保できる場所はゼリー状瞬間接着剤や溶剤系接着剤などでガッチリ固定してやりましょう。
余談ですが長年モーターヘッドのガレージキットに慣れ親しんできた身としては、モーターヘッドに溶剤系接着剤が使えるのはいまだに少し不思議な気分です(笑)。
塗装は、まず特徴的な半透明装甲は丁寧に表面処理していくのですが、あまり粗い番手でなくても目が立っている耐水ペーパーだと傷が残りやすく、番手を上げていってもなかなか消えません。そんな時に使い古して目の潰れた粗い番手のペーパーがとても重宝します。当然番手どおりの切削性はないですが、目が潰れているのでマイルドに削れてくれます。なので、自分は90、180、240番あたりの耐水ペーパーは切削力が落ちてもしばらく使用し続けています。同様に600、800番あたりの使い古しは磨きに重宝しています。
800番ぐらいまで仕上げたところで、ガイアノーツのホワイトパールを薄く吹きデカールを貼り乾燥後クリアーでコート。赤部分は成型色を活かしたままクリアーを吹いて仕上げています。スネなどの大判のデカール部分はクリアーを厚吹き。乾燥後簡易研ぎ出しを行ってデカールの段差を目立たなくしています。
フレーム部分はガイアノーツのフレームメタリック1に、紫とコバルトブルーと黒を混ぜた濃淡2種で塗り分け。カウンターウエイトとホーンと腹部蛇腹はガイアノーツと開発中のカーボン調の黒を下地に、ボークスのブルーパールを薄吹き。カウンターウエイトとホーンは半ツヤ気味に、腹部はツヤありでそれぞれ仕上げています。銀部分もガイアノーツが開発中の新色を使用。粒子を特殊な配合で調合しています。最後にスミ入れをうるさくならない程度に施し完成です。
最新のGTMのプラキット化も楽しみですが、やはりモーターヘッドにはモーターヘッドの良さがあると思います。引き続きラインナップを充実させていってほしいですね!
ボークス 1/100スケール プラスチックキット “INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”
L.E.D.ミラージュV3 =デルタ・ベルン 3007=
製作・文/NAOKI
L.E.D.ミラージュV3 =デルタ・ベルン 3007=
●発売元/ボークス●13200円、発売中●1/100、約29.2cm●プラキット●原型/造形村F.S.S.プロジェクトチーム
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NAOKI(ナオキ)
メカニックデザイン、造形、造形プロデュースなどさまざまなフィールドで活躍するマルチクリエイター。