アニメでも活躍した「ジョンガスメーカー」を外伝小説『SYNDUALITY Kaleido』登場に際しスクラッチビルド!
2023.08.15ジョンガスメーカー【スクラッチビルド】 月刊ホビージャパン2023年9月号(7月25日発売)
ジョンガスメーカーをスクラッチ!
『SYNDUALITY Kaleido』ep.1に登場したトキオとムートンのコフィン=ジョンガスメーカー。アニメ本編でも熟練のドリフターたるトキオが駆る機体として第1話冒頭から大活躍を見せており、その見た目のインパクトも相まって非常に印象深い機体だ。まだキット化されていないこちらの作例を、『SYNDUALITY Kaleido』登場に際して田中康貴が製作。フレームにHGデイジーオーガを流用しつつも外装はほぼ完全なスクラッチという大作を見ていただこう。
■ぜひキット化をお願いします!
今回はジョンガスメーカーを担当させていただきました。アニメ放送前の製作となりますが、見た目のインパクトに加え公式PVでの動きがとてもカッコよく、その活躍が楽しみです。製作時点ではわからない部分も多く、設定資料とPVを何度も見ながら作業を進めていきました。ベースにデイジーオーガのフレームを利用し外装をプラ材やパテでスクラッチしています。
■胴体
かなり複雑な形をしていて、形状のバランスを決めるきっかけがつかめずもっとも悩んだ部分です。よく見てみると天辺がデイジーオーガに似ている気がしなくもなかったので、これを基準に製作をスタートしました。また胴体フレームは可能な限り利用しました。背中もキットの構造を利用しつつプラ板でライン変更していますので、かなりデイジーオーガの影響を受けたプロポーションになっていると思います。こういったことからも正式なキットを手に取って実際はどういう造りなのか勉強したいと思いました。
あとは設定に光学センサーの回転や拡大縮小機能があり、いろいろな表情が見られて面白いと思ったので左目のバリエーションを作りました。サブヘッドも簡易的ではありますが差し替えで展開状態を再現できるようにしています。また全体に関して言えることですがディテールの難易度もかなり高いですね。特に右目や側頭部など各所にある凹モールドは太さや並びが一律にならず苦労した部分です。製作方法は等間隔になるよう0.5mmや0.3mmのプラ板にノギスでアタリを付けてから両端をピンバイスで穴開け、デザインナイフで穴を繋ぎ仕上げにヤスリで整えてから形状に貼り付けるという感じです。
■腕部・腰部・脚部
フレーム関係が概ね共通なことと、脚や腕は割とデイジーオーガに近いものがあるためキットパーツにプラ板を貼ったり余分な箇所を落としたりして設定形状に近づけています。他の部分はプラ板の箱組みやプラパイプの組み合わせで自作しました。数が多い車輪やスパイクは市販パーツをレジンで量産してコストを抑えています。
■武器類
プラ積層とプラパイプの組み合わせでできています。ベヨネットライフルのトリガーはキットから持ってきたものです。ホーミングマシンガンの給弾ベルトは長めに箱組みしたプラ板を短く輪切りにしたものを0.3mmのプラ板に通して繋ぎました。
■塗装
紫=蛍光ピンク+GXクリアピンク+GXクリアパープル+クールホワイト
紫(濃)=上記紫+レッド+ブラック
緑=ルマングリーン+蛍光グリーン+クールホワイト
緑(濃)=上記緑+グリーン+ブラック
関節グレー=サーフェイサー1500(ブラック+ホワイト)+ブルー+レッド
腕等ブラック=ブラック+ブルー
今回各所のデカール類はモデラーのかいんさんが製作してくださったものを使わせていただきました(高いクオリティに加え、自分が上手く形を出せていない部分にもしっかりフィットするよう調整してくださり本当にありがとうございます! キレイに貼るための細かな配慮もうれしいポイントでした)。仕上げにツヤ消しクリアーを全体に吹いて完成させました。
ノンスケール スクラッチビルド
ジョンガスメーカー
製作・文/田中康貴
デカール製作/かいん(firstAge)
動画はこちら
田中康貴(タナカヤスタカ)
月刊ホビージャパンを代表するスクラッチモデラーのひとり。プラ板を使用したパーツ製作を得意とし、細かな可動ギミックにも秀でている。