1/72の大スケールで登場したガリアンを製作!! 関節の補強と蛇腹剣の可動範囲拡大で劇中再現度アップ!
2023.08.13日韓メーカー共同開発 伝説の機甲兵が再臨
ウェーブが韓国・アカデミー社との共同開発で世に送り出したのは、『機甲界ガリアン』(1984)の主役機甲兵・ガリアンのプラキット。これまでにない1/72という大スケールでの模型化となり、コクピットハッチ開閉や飛装型(ビッグファルコン)への変形といった固有のギミックを一通り備えているほか、フレキシブルな可動を引っ提げてのお目見えとなった。ベテランモデラー・只野☆慶の作例は、関節強度の補強と蛇腹剣の可動範囲拡大に重点を置いて追加工作を施している。
■伝説の鉄巨人
このガリアン、ウェーブと韓国アカデミーの共同開発とのこと。1/72スケールでスナップフィット式のプラキット、造形も素晴らしく早くも今後の商品展開を期待してしまう只野です。今後、1/72で機甲兵達が展開されたらと妄想すると、ガリアンワールド(機甲界)の広がりをいろいろと再現したくなりますね。
さて、この秀作キットをより良く組上げるために、そのプロセスをお伝えしましょう。伝説の鉄巨人は蘇るでしょうか?
■各所補強がキモ
仮組みした印象は「造形は素晴らしいものの、少々心もとない関節の強度やプラ弾性による納まりの不安定さが課題」と感じたので、各所の補強がキモとなります。手首関節はPP製で非常に抜けやすいので、できればプラ素材に変えたい。そこで、「ホビーベース 関節技 極め手」(おそらく現在は店頭在庫のみ)の手首関節(ロングタイプ)がちょうど良いサイズでしたので組み込みました。
ヒジ関節は前後ともポリキャップ差し込み式で抜けやすく、保持が若干不安です。上腕側はプラ板でワッシャーを作り、前腕側はアクセサリー用極小金属製ワッシャーを精密ビスで固定し、ポリキャップが抜けないようにして伸縮機構の安定感を確保しました。
胸部はフレームの組付け強度が低く、外装を取り付けた時の隙間が気になります。プラ棒で補強材を足して1.2mm精密ビスを4点打って組み付け強度を上げています。
■蛇腹剣
付属する蛇腹状の刀身パーツですが、そのままでは曲げられないのでシリコーンゴムで型を取り、その型に0.9mmカラーワイヤーをインサートしてからレジンを注型、フレキシブルに動くものを用意しました。複数作って繋げた長めのものも用意しました。
■塗装
下地はNAZCAメカサフ ライト、その上にガイアカラーのホワイトで面毎にグラデーションを施しておきます。
赤=タミヤカラー LP-50ブライトレッド
黄=ガイアカラー AT-20オレンジイエロー
白=ガイアカラー Ex-ホワイト
関節=フラットクリアー+雲母堂ブラックパール
基本塗装後、ナイフでエッジを強調するように塗膜を剥がし、物理的に軽くチッピング。スチールウールでランダムに傷を付けてからMr.ウェザリングカラーWC18 シェイドブラウンでスミ入れ、Mr.ウェザリングカラー各色でウォッシングを施して完成です。
ウェーブ 1/72スケール プラスチックキット
ガリアン
製作・文/只野☆慶
ガリアン
●発売元/ウェーブ●6380円、7月下旬予定●1/72、約18cm●プラキット
ⓒサンライズ
只野☆慶(タダノケイ)
各種造形、デザイン、模型製作を生業とする。造形・塗装表現も幅広くウェザリングも得意。