ウェーブ最新「スコープドッグ」を超速攻レビュー!キットの素性を徹底的に分析
「HJメカニクス 装甲騎兵ボトムズ 40th ANNIVERSARY SPECIAL」より
2023.05.31
ウェーブ最新キットを超速攻レビュー
ウェーブの完全新規金型による1/24スケール スコープドッグ。これまでタカラ製本体にアップデートパーツを追加したコラボキットから始まり、完全新規金型の1/35スケールを作り続けてきたウェーブが、満を持して送り込む期待の最新キットだ。発売は2023年末頃とのことで、読者諸氏の手元に届くのはまだ少し先となるが、最新テストショットによる作例でキットの素性を徹底分析。水性ホビーカラーの筆塗り名人、清水圭による作例をご覧いただこう。
FRONT
SIDE
REAR
特撮用にディオラマベースをスクラッチ!
ついにきた完全新規の1/24スコープドッグ、かっちりとした造形と迫力のスタイリングで作りごたえ充分です。プロポーションなど満足度の高いキットなので、ディテールの調整などを中心に製作しました。
■工作
前述の通り大きなプロポーション工作などはしていません。ディテールの調整として下記工作を行いました。
・頭部
バイザー左右の基部カバー上下のディテールがないため、プラ板でカバーディテールを追加。完成後はほぼ見えませんが、バイザー裏パーツは取り付けダボ穴が空いた状態なので、リベットパーツを埋めてディテールらしくしています。バイザー横のアンテナパーツを切り飛ばし、0.8mmピアノ線と1mmスプリングを組み合わせてアンテナを新造。下部ハッチのハンドル基部ディテールはモールドが薄いので、プラ板とリベットパーツで新造しました。
・胴体
ちょっとしたアレンジでハッチにプラ板とリベットパーツで追加装甲を追加。ハッチ裏にパーツの取り付けダボ穴が空いた状態なので、リベットパーツを埋めてディテールらしくしています。コクピット内にリード線で配線ディテールを追加。腹部ボックスのリブディテールが薄いので1mm半円プラ棒で新造、両サイドハッチにプラ棒で蝶番ディテールを追加、コトブキヤM.S.Gの取っ手パーツでハッチハンドルを追加しました。
・腕部
パーツ整形がしにくいので、上腕パーツのリベットはいったん削り落として、整形後にリベットパーツで再生。肩アーマーは鋳造品というイメージで、溶きパテを筆でたたいて鋳造跡を再現しています。
・脚部
ヒザ裏はディテールがないのでピンバイスで開口して、ボルト的なディテールを追加しました。
・武器
ヘビィマシンガンのバレルカバー先端が厚いので薄く削り込み。マガジンハンドルは一体化モールドなので、一度削り落として0.8mm真鍮線に置き換えました。ストックはプレス品の張り合わせ構造というイメージで、合わせ目の溶接跡を伸ばしランナーで追加。上部バレル基部のディテールは、プラシートの短冊を巻いて強調しました。
■塗装
ATのイメージから、かなり厳しく使い込まれた痛みの激しい機体、ということで、塗装面はかなりきつめの退色表現を意識して塗装を行いました。半面、現役でバリバリ使用されている機体ということもあるので、サビ、土汚れなどの最終的なウェザリングは軽めにしています。基本的にはサフ後、下記塗料を使用して、下地塗装→筆のタッチによる退色表現→チッピング→トップコート→ウォッシング→ウェザリングの工程です。
下地カラー(水性ホビーカラー)
・グリーン部=ダークグリーン40%+デイトナグリーン20%+イエロー20%+ホワイト20%
・ブルーグレー部=ジャーマングレー/グラウ
・ホワイト部=スカイ
・グレー部=サフに使用したメカサフヘヴィ(ガイアノーツ)
退色カラー1(水性ホビーカラー)
・グリーン部=よもぎ色
・ブルーグレー部=軍艦色
・ホワイト部=グランプリホワイト
・グレー部=明灰白色
退色カラー2(水性ホビーカラー)
・グリーン部=サンディイエロー
・ブルーグレー部=明灰白色
チッピング
・タミヤエナメル=ダークグレイ
ウォッシング
・タミヤスミ入れ塗料=ダークブラウン
ウェザリング
・ガイアエナメル=赤さび
・タミヤウェザリングマスター=サンド
仕上げに各エッジにタミヤウェザリングマスターCセットのガンメタルでエッジ部分を擦り、ちらりと金属感を出して完成です。
ウェーブ 1/24スケール プラスチックキット
ATM-09-ST スコープドッグ
製作・文/清水圭
ATM-09-ST スコープドッグ
●発売元/ウェーブ●価格未定、2023年予定●1/24、約16㎝●プラキット
詳しい製作方法が知りたいところですが本記事ではここまで。詳しくは、現在好評発売中の「HJメカニクス 装甲騎兵ボトムズ 40th ANNIVERSARY SPECIAL」に掲載中です! コチラでは、40周年を迎えた『装甲騎兵ボトムズ』を、TV版立体作例を軸に徹底解説しております。今回ご紹介した「ATM-09-ST スコープドッグ」の作例をはじめ、各メーカーからリリースされてきたスコープドッグのプラキットシリーズを本書自慢のプロモデラーたちが競作。『ボトムズ』ファンはもちろん、機体が好き! 知らなかったけど興味がある。という方もお楽しみいただける内容なので、ぜひお手に取ってご覧ください!
ⓒサンライズ
清水 圭(シミズケイ)
水性カラーの筆塗りで仕上げる筆塗りの達人。基本的にAFVやリアルメカなどの泥臭いものを好む。