1/24スケールで蘇ったモンスターマシン「ランチア デルタ S4」。別売の専用エッチングパーツ使用でさらに見ごたえアップ!
2023.06.06悲劇的な事故をきっかけにグループBを“終わらせた”ことでも知られるモンスターマシン、ランチア デルタ S4。今回はそんなデルタS4で1986年のカタルーニャラリーを制したグリフォーネチームのマシンを再現したプラッツ/BEEMAXの1/24スケールキットを一ノ戸晃治の製作でご覧いただこう。キットはエンジンやインテリアまで再現されたフルキット仕様。今回はさらに別売の専用エッチングパーツも使用し、見ごたえたっぷりの1台に仕上げている。
今回はBEEMAXのデルタS4を製作しております。ご覧の通り前後が開いて中身もしっかり詰まっているというなかなか作りごたえのある内容になっていますね。今回は別売りのディテールアップパーツも使用して省略されている部分も再現しつつ作りこんでみました。
まずはエンジンから。エンジン本体は簡単に組みあがりますが、ターボチャージャーやインタークーラーなどの取り付けはちょっと厄介です。接着部が小さくて強度が心もとない部分があるので金属線での補強を推奨します。インタークーラーは地面に対して水平に取り付けますが、エンジンが傾いているので位置決めが難しいですね。ここはモノコックにエンジンを載せてから取り付けたほうが確実だと思います。プラグコードを追加して青いパイプジョイントのバンドには手芸用のカラーワイヤー(0.24mm)を巻いています。黒いダクトの表面はストッキングを使ってカーボン風塗装を施しました。
右側の金属地のタンクはエッチング製ですが、内側の面が無かったのでハンダで箱組みして表面を整えた後、パテ埋めしてます。これを付けた以上ホース類も再現しなくてはいけませんね。エンジン上部のラジエターコアのパーツを加工してホースジョイントを追加して、さかつうの六角フランジ(内径1.2mm)と1.2mm径のハンダ、1.2mm径のメッシュホースを駆使して再現しました。ふたのパーツも無かったので自作で追加、ブリーザーパイプは1.6mmのスプリングを挿しています。このタンク、当たり前に接着してしまうとリヤのボディと干渉するのでフレームを多少削ってでも出来るだけ内側に接着したほうが良いです。自分は後で気がついてボディの内側を削りましたが…。
車体はモノコックに前後セクションのパイプフレームを組み付ける構造でパーツも多いのですが、ピンに対して受ける穴が小さいところが多々あるので事前に1.2mmで広げておきましょう。バリもあるしピンも根元が太かったりするので捨てサフ吹いてチェックが必須ですね。
次はインテリア。ダッシュボードは塗り分けとデカールだけでもよく再現されていますが、追加でスイッチを塗り分けてやると見映えがアップすると思います。フロアはケブラーですが、ディテールアップパーツにデカールが付属するのでそちらを使うのをお勧めします。シートベルトはエッチングとサテンリボンですが、モノコックに金具を固定するのにナビシート裏の補機が邪魔になるので少し下にずらして接着しました。
ボディカラーは黒金で一部金のデカールが付属しますが、塗装の部分もあってデカールと色を合わせる必要があります。金の色を合わせるなんて面倒なのですべてマスキングして塗り分けています。給油口がボディに付いているので開口し、モノコック側に蓋を移植しました。各開口部のメッシュはキット付属の網は使わずにエッチングで。フロント上部のメッシュはボディの厚みが気になるので裏側から削り込んで薄くしてあります。ウインカーはボディにモールドされてデカールを貼るという指示だったのでクリアーレジンで複製して置き換えました。泥除けはターマック仕様なのでリアはロールしてフロントは無しにしてあります。
プラッツ/BEEMAX 1/24スケール プラスチックキット
ランチア デルタ S4 1986 カタルーニャラリーウィナー
製作・文/一ノ戸晃治
ランチア デルタ S4 1986 カタルーニャラリーウィナー
●発売元/プラッツ/BEEMAX、販売元/プラッツ●5280円、発売中●1/24、約17cm●プラキット
ランチア デルタ S4 1986 カタルーニャラリーウィナー用ディテールアップパーツ
●発売元/プラッツ/BEEMAX、販売元/プラッツ●3190円、発売中●1/24
一ノ戸晃治(イチノヘコウジ)
2023年も半ばに差し掛かって1個目の完成品でしたが、なかなかカロリー高めだったので後は何が来ても大丈夫な気がします。後半ペース上げて行きましょうかねー。